概要

1930年代に大平原南部を襲った深刻な砂嵐と干ばつの連続。表土が風で吹き飛ばされ、「ブラック・ブリザード」と呼ばれる巨大な砂嵐がワシントンD.C.やニューヨークにまで達した。約250万人が大平原から流出し、多くがカリフォルニアに移住した(「オーキーズ」と蔑称された)。

歴史的背景

第一次世界大戦期の高い小麦価格により、大平原の草原が大規模に開墾された。深耕は表土を固定していた根を破壊し、1930年代の干ばつで表土が乾燥して風で飛散した。過度の農業開発と気候変動が複合した環境災害であり、人為的要因が大きかった。

地形・地理的特徴

テキサス・パンハンドル、オクラホマ、カンザス、コロラド、ニューメキシコにまたがる大平原南部。本来は短草草原(ショートグラス・プレーリー)で、年間降水量は500mm以下の半乾燥地帯。第一次世界大戦期の小麦需要で草原が大規模に耕作され、表土が露出していた。

歴史的重要性

アメリカ史上最悪の環境災害の一つで、土壌保全の重要性を世界に認識させた。スタインベックの『怒りの葡萄』(1939年)がオーキーズの苦難を描き、社会的意識を喚起した。土壌保全局(SCS、現NRCS)の設立と農業政策の転換をもたらした。

参考文献

  • Worster, Dust Bowl
  • Egan, The Worst Hard Time