概要
1930年代にパリで学ぶアフリカ・カリブ海の黒人知識人が提唱した文学・思想運動。セネガルのレオポルド・セダール・サンゴール、マルティニークのエメ・セゼール、仏領ギアナのレオン・ゴントラン・ダマスが中心。黒人の文化的アイデンティティの肯定と、植民地主義による文化的疎外の克服を目指した。
歴史的背景
フランス植民地の「同化政策」は、アフリカ人にフランス文化への同化を強いた。パリの黒人学生たちはハーレム・ルネサンス(アメリカ黒人文芸復興)やマルクス主義の影響を受けつつ、独自の文化的自己主張を模索した。
地形・地理的特徴
ネグリチュード運動は大西洋を挟んだアフリカとパリの知的ネットワークの中で生まれた。ダカールはフランス領西アフリカの首都として知的エリート層を育て、パリのラテン地区がアフリカ系知識人の交流の場となった。
歴史的重要性
アフリカの文化的自立と脱植民地化の知的基盤を提供した。サンゴールは独立後のセネガル初代大統領(1960-80年)となり、詩人・政治家として独自の存在となった。フランツ・ファノンの『黒い皮膚・白い仮面』(1952年)はネグリチュードの批判的発展。
参考文献
- Senghor, L.S., 'The Collected Poetry'
- Kesteloot, L., 'Black Writers in French'