文化・芸術の歴史
127件の歴史的出来事
紀元前2万年頃〜紀元前6000年頃
オーストラリア先住民のカカドゥ岩壁画制作
カカドゥ国立公園のウビル、ノーランジーロックなどに残る数千点の岩壁画群。X線技法で描かれた魚類・動物、ドリームタイムの精霊(ミミの精霊、ナマルゴンの稲妻男)、狩猟場面、接触期のヨーロッパ人の船まで、数
オーストラリア・カカドゥ
2万年以上前〜現在
カカドゥの岩壁画群
カカドゥ国立公園内のウビル、ノーランジーロックなどに数千カ所の岩壁画が残る。最古のものは2万年以上前に遡り、X線スタイル(動物の骨格や内臓を透視的に描く技法)が特徴的。絶滅したメガファウナ(タスマニア
オセアニア・オーストラリア北部
紀元前8000〜1500年頃
タッシリ・ナジェールの岩絵群
サハラ砂漠中央部に約1万5千点以上の岩絵・岩刻が残る世界最大級のロック・アート群。狩猟の場面、牛の放牧、儀式、ダンスが描かれ、約8000年にわたるサハラの気候変動と人間活動の記録である。「緑のサハラ」
アルジェリア・タッシリ・ナジェール
紀元前3200年頃〜394年
ヒエログリフの発展
古代エジプトの公式文字体系。表語文字と表音文字を組み合わせた約700の記号からなる。神殿や墓の碑文に使用されたヒエログリフ(聖刻文字)に加え、日常使用のヒエラティック(神官文字)、後期のデモティック(
エジプト全域
紀元前3000年〜1800年頃
ドラケンスバーグのサン人岩絵
南アフリカのドラケンスバーグ山脈に約3万5千〜4万点のサン人(ブッシュマン)の岩絵が残る。エランド(大型アンテロープ)の狩猟、トランス状態のシャーマンの踊り、雨乞いの儀式などが精巧な多色画で描かれてい
南アフリカ・ドラケンスバーグ山脈
紀元前2100年頃〜前1200年頃
ギルガメシュ叙事詩の成立
世界最古の文学作品とされるギルガメシュ叙事詩は、ウルク王ギルガメシュの冒険と永遠の命の探求を描く。シュメール語の個別物語群がウル第三王朝期に編纂され始め、古バビロニア期にアッカド語版が成立。標準バビロ
メソポタミア・ウルク
紀元前2000年頃
大湯環状列石の建設
万座環状列石と野中堂環状列石の2つの大型配石遺構からなる。万座は直径約52メートルで日本最大。河原石を環状に配置し、中心に立石を置く構造。周辺に掘立柱建物跡や土坑墓が伴い、祭祀・墓域として機能した。
日本・秋田
紀元前1200年頃〜紀元前300年頃
亀ヶ岡文化の展開
縄文晩期に東北地方北部で栄えた文化圏。亀ヶ岡式土器は精緻な文様と薄手の造形で縄文土器の最高峰。遮光器土偶・赤漆塗り製品・耳飾りなど高度な工芸品を生み出した。漆工芸の技術は特に優れていた。
日本・東北
紀元前1000年頃
亀ヶ岡遺跡・遮光器土偶の製作
縄文晩期の代表的遺跡。精緻な亀ヶ岡式土器と、宇宙人のような外見で知られる遮光器土偶が出土した。遮光器土偶は高さ約34.5センチで、誇張された目と体の文様が特徴的。晩期縄文文化の芸術的到達点を示す。
日本・青森
紀元前1000年頃〜現在
タトゥー文化の起源と拡散
ポリネシア文化圏で高度に発達した身体装飾の伝統。サモアのペアは腰から膝までを覆う幾何学的な男性のタトゥーで、成人儀礼として施される。マオリのモコ(顔面タトゥー)は個人の系譜と社会的地位を表す。マルケサ
オセアニア・ポリネシア
古代〜現在
グリオの口承文学伝統
西アフリカのグリオ(フランス語。マンデ語ではジェリ)は世襲の語り部・音楽家・歴史家であり、王朝の歴史、系譜、道徳的教訓を歌と語りで伝承する。コラ(21弦のハープ)、バラフォン(木琴)、ンゴニ(リュート
西アフリカ全域
紀元前4世紀〜紀元4世紀頃
マハーバーラタの成立
約10万頌からなる世界最長の叙事詩。バーラタ族の王位継承をめぐるパーンダヴァとカウラヴァの対立と大戦争を描く。バガヴァッド・ギーターを含み、ダルマ(義務)・アルタ(実利)・カーマ(愛欲)・モークシャ(
南アジア・北インド
紀元前3世紀〜紀元後1世紀
銅鐸文化圏の形成
弥生時代中期を中心に、近畿・東海地方で銅鐸が製造・使用された。初期は朝鮮半島由来の小型銅鐸だったが、次第に大型化・装飾化し、聞く銅鐸から見る銅鐸へ変化。袈裟襷文・流水文・動物文などの文様が施され、農耕
日本・近畿〜東海
紀元前3世紀〜紀元3世紀頃
ラーマーヤナの成立
聖仙ヴァールミーキ作とされる約2万4千頌の叙事詩。コーサラ国の王子ラーマが妃シーターの奪還のためランカーの魔王ラーヴァナと戦う物語。ダルマ(正義)の体現者としてのラーマ像は理想的な王・夫・息子の模範と
南アジア・北インド
紀元前3世紀〜紀元3世紀頃
サンガム文学の成立
古代タミル語で書かれた詩歌集の総称。473人の詩人による2381篇の詩が現存。恋愛詩(アカム)と英雄詩(プラム)の二大部門からなり、チョーラ・パーンディヤ・チェーラの三王朝の時代を描く。『トルカッピヤ
南アジア・タミルナードゥ
紀元前295年頃
アレクサンドリア図書館の設立
プトレマイオス1世ソテルが創設し、プトレマイオス2世フィラデルフォスが拡充したムセイオン(学術殿堂)付属の図書館。最盛期には40万〜70万巻のパピルス巻物を所蔵したとされる。エウクレイデス(幾何学)、
エジプト・アレクサンドリア
紀元前2世紀〜紀元後1世紀
銅矛・銅戈文化圏の形成
弥生時代中期、北部九州では朝鮮半島系の銅矛・銅戈が祭祀用の青銅器として大型化・儀器化した。荒神谷遺跡(島根県)では358本の銅剣が一括出土し、出雲地域の独自の青銅器文化を示す。
日本・北部九州
紀元前196年
ロゼッタ・ストーンの原碑文制定(プトレマイオス5世即位記念)
プトレマイオス5世の即位を記念する神官会議の勅令が、ヒエログリフ、デモティック(民衆文字)、ギリシャ語の三言語で石碑に刻まれた。1799年にナポレオンのエジプト遠征中にロゼッタで発見され、1822年に
エジプト・メンフィス
紀元前104年〜前91年頃
司馬遷『史記』の編纂
司馬遷(紀元前145-86年頃)が編纂した『史記』は、黄帝から武帝までの約3000年間を記述した中国最初の通史。本紀12巻・表10巻・書8巻・世家30巻・列伝70巻の計130巻で構成。紀伝体(人物中心
中国・長安
4世紀〜7世紀
高句麗壁画古墳群
高句麗の貴族墓に描かれた壁画群。四神図(青龍・白虎・朱雀・玄武)、狩猟図、生活風俗図、飛天図など多様な主題を含む。江西大墓の四神図は東アジア壁画芸術の最高傑作とされる。集安と平壌に約100基が確認され
高句麗・国内城〜平壌
353年
書聖・王羲之と六朝文化
東晋の王羲之が永和9年(353年)の蘭亭の宴で『蘭亭序』を書いた。「天下第一行書」と称される書の最高傑作。行書の完成者であり、後世「書聖」と尊称される。原本は唐太宗が殉葬したとされ現存しない。
中国・会稽(紹興)
5世紀〜7世紀
装飾古墳の文化
石室内壁に赤・青・白・黒・黄の顔料で幾何学文様や具象画(人物・馬・船・鳥など)を描いた古墳群。全国約660基の装飾古墳のうち約200基が熊本県に集中。チブサン古墳・鍋田横穴群などが代表的。死後の世界観
日本・熊本
5世紀頃
カーリダーサの文学活動
サンスクリット文学最大の詩人・劇作家。戯曲『シャクンタラー(アビジュニャーナ・シャークンタラム)』は世界文学の傑作とされ、ゲーテが絶賛した。叙情詩『メーガドゥータ(雲の使い)』は恋人への思いを雲に託す
南アジア・北インド
405年頃
陶淵明と田園詩
東晋末〜宋初の詩人・陶淵明(陶潜)が「帰去来兮辞」で官界からの離脱を宣言。「桃花源記」で理想郷を描き、「飲酒」「帰園田居」など田園生活の詩を多数残した。
中国・江西省九江
5世紀〜1193年
ナーランダー大学の隆盛
グプタ朝のクマーラグプタ1世が設立したとされる世界最古級の大学の一つ。最盛期には1万人以上の学生と2千人以上の教師を擁し、仏教学のみならず論理学・文法学・医学・天文学を教授した。玄奘や義浄など中国僧が
南アジア・ビハール
471年(辛亥年)
稲荷山古墳鉄剣の銘文
1978年、稲荷山古墳から出土した鉄剣のX線調査で115文字の金象嵌銘文が発見された。「辛亥年」(471年)の紀年銘と「獲加多支鹵大王」(ワカタケル大王=雄略天皇)への奉仕を記す。東国豪族がヤマト大王
日本・埼玉
5世紀後半
江田船山古墳鉄刀銘
江田船山古墳から出土した大刀に75文字の銀象嵌銘文が刻まれている。「獲□□□鹵大王」の文字があり、稲荷山古墳鉄剣と同じ雄略天皇に関わる銘文と推定される。九州の豪族もヤマト大王に仕えていたことを示す。
日本・熊本
5世紀頃〜現在
東南アジアにおけるラーマーヤナのローカライゼーション
インドの叙事詩ラーマーヤナは東南アジア各地で翻案され、タイの「ラーマキエン」、ジャワの「カカウィン・ラーマーヤナ」、カンボジアの「リアムケー」、ミャンマーの「ヤーマ・ザータドー」、マレーの「ヒカヤット
東南アジア全域
7世紀末〜8世紀初
高松塚古墳の壁画
1972年に発見された極彩色の壁画は日本考古学史上最大級の発見。石室内に四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)、日月、男女群像が描かれていた。高句麗や唐の壁画墓との類似が指摘され、国際的な文化交流を反映する。
日本・奈良
7世紀末〜8世紀初
キトラ古墳の壁画
石室内に四神図・天文図・十二支像が描かれた壁画古墳。天井の天文図は現存する世界最古の本格的星図とされ、中国式の星座配置で約350個の星が金箔で表現されている。2000年の特別公開で全貌が明らかになった
日本・奈良
712年
古事記の編纂
太安万侶が稗田阿礼の口誦を筆録して完成した日本最古の歴史書。上・中・下の3巻からなり、天地開闢の神話から推古天皇までを記述。和銅5年正月に元明天皇に献上された。日本語の音を漢字で表記する万葉仮名を多用
日本・奈良
713年命令〜順次編纂
播磨国風土記の編纂
和銅6年、元明天皇が諸国に風土記の編纂を命じた。各国の地名の由来、産物、土地の状態、古老の伝承を記録。出雲国風土記は唯一のほぼ完本で、古代出雲の地理・文化・神話を詳細に伝える。
日本・全国
720年
日本書紀の編纂
舎人親王らが編纂した日本初の勅撰正史。全30巻と系図1巻からなり、神代から持統天皇まで編年体で記述。中国の正史の形式に倣い漢文で書かれた。養老4年に元正天皇に奏上。六国史の第一として後世の歴史編纂の範
日本・奈良
743年発願〜752年開眼
東大寺大仏の造立
聖武天皇が発願した盧舎那仏(大仏)の造立。像高約15メートル、使用した銅は約500トン、金は約440キロ。752年に盛大な開眼供養が行われ、インド僧菩提僊那が開眼導師を務めた。延べ約260万人が造立に
日本・奈良
8世紀
李白・杜甫と唐詩の黄金時代
「詩仙」李白と「詩聖」杜甫が中国詩歌の頂点を極めた。李白は奔放な浪漫主義で「月下独酌」「蜀道難」を、杜甫は社会批判のリアリズムで「春望」「茅屋為秋風所破歌」を詠んだ。白居易の「長恨歌」「琵琶行」も後世
中国・長安〜各地
756年
正倉院宝物の収蔵
聖武天皇の崩御後、光明皇后が天皇遺愛の品約600点を東大寺大仏に献納。ペルシア・唐・新羅・東南アジアなどの工芸品を含み、8世紀の国際文化交流を物語る。螺鈿紫檀五絃琵琶、漆胡瓶、鳥毛立女屏風などが代表的
日本・奈良
759年頃
万葉集の成立
日本最古の歌集。全20巻、約4500首を収録。天皇・貴族から防人・農民まで幅広い階層の和歌を収める。額田王・柿本人麻呂・山上憶良・大伴家持らが代表的歌人。万葉仮名で表記され、日本語の文学表現の原点。
日本・奈良
780年頃〜850年頃
カロリング・ルネサンス
カール大帝が推進した文化・教育復興運動。ヨーク出身の学者アルクインを宮廷学校長に招聘し、ラテン語教育の標準化、カロリング小文字体(近代ローマン体の起源)の開発、古典文献の組織的写本、修道院学校の整備を
フランク王国・アーヘン
783年頃〜1193年
ヴィクラマシーラ大学の設立
パーラ朝のダルマパーラ王が設立した仏教学術機関。密教(ヴァジュラヤーナ)の主要な研究・修行センターとして機能し、最盛期には108人の教授と1000人以上の学生を擁した。チベットへの仏教伝播に決定的な役
南アジア・ビハール
9世紀頃〜現在
ガムラン音楽の伝統
青銅製の打楽器アンサンブル。メタロフォン(鍵盤打楽器)、ゴング、太鼓などで構成され、数十人の奏者による重層的な音響を生み出す。ジャワ・ガムランとバリ・ガムランは異なるスタイルを持つ。ドビュッシーが18
インドネシア・ジャワ島・バリ島
9世紀
三筆と弘仁・貞観文化
平安初期の弘仁・貞観文化は唐文化の消化と日本化が進んだ時代。三筆(空海・嵯峨天皇・橘逸勢)が書道の最高峰を示し、漢詩文が隆盛した。『文華秀麗集』『経国集』が編まれ、空海の『三教指帰』など思想的著作も生
日本・京都
869年
祇園御霊会の成立
貞観11年の疫病大流行に際し、怨霊を鎮めるため神泉苑に66本の鉾を立てて御霊会を行った。これが祇園祭の起源。当初は疫病退散の臨時行事であったが、次第に恒例化し、室町時代以降は町衆主導の壮大な祭礼に発展
日本・京都
10世紀〜11世紀
かな文字の発展と国風文化の開花
万葉仮名から平仮名・片仮名が成立し、日本語を自在に表現できる文字体系が完成。これにより和歌・物語・日記・随筆など多様な文学ジャンルが開花。大和絵、寝殿造、十二単など日本独自の美意識が確立された。
日本・京都
10世紀頃〜現在
ジャワのワヤン(影絵芝居)
水牛の革で作った精巧な人形を使い、スクリーンの背後から光を当てて影を映す伝統的人形劇。マハーバーラタとラーマーヤナのインド叙事詩をジャワ的に翻案した物語を、ダランと呼ばれる一人の人形遣いが一晩かけて語
インドネシア・ジャワ島
905年
古今和歌集の編纂
日本初の勅撰和歌集。紀貫之・紀友則・壬生忠岑・凡河内躬恒が撰者。約1100首を収録し、四季・恋・雑などに分類。紀貫之の仮名序は日本初の文学論として名高い。和歌の規範として後世の勅撰集の模範となった。
日本・京都
935年頃
『土佐日記』の執筆
紀貫之が土佐守の任期を終えて帰京する55日間の旅を、女性の筆に仮託してかな文字で綴った日記文学。「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」の冒頭は日本文学史上最も有名な書き出しの一つ。海
日本・京都
10世紀後半〜11世紀
三蹟と和様書道の確立
小野道風・藤原佐理・藤原行成の三人は「三蹟」と称され、中国書法から独立した和様書道を確立した。小野道風は柔らかな曲線と優美さで唐様から脱却し、藤原佐理は奔放な草書で知られ、藤原行成は端正で格調高い書風
日本・京都
970年
アル・アズハル大学の創設
ファーティマ朝の将軍ジャウハルがカイロ建設と同時に創設したモスク兼学院。当初はイスマーイール派の教義普及のための機関であったが、アイユーブ朝以降はスンニ派の最高学府に転換。イスラム法学、神学、アラビア
エジプト・カイロ
974年頃
蜻蛉日記の執筆
藤原道綱母が藤原兼家との結婚生活21年間(954-974年頃)を回想して綴った日記文学。夫の浮気への嫉妬、待つ女の苦悩、息子道綱への愛情が赤裸々に描かれる。「かくありし時過ぎて世の中にいとものはかなく
日本・京都
1000年頃
清少納言『枕草子』の執筆
清少納言が中宮定子に仕えた体験を基に執筆した日本最古の随筆。「春はあけぼの」に始まる鋭い感性と知性に満ちた筆致で、自然・宮廷生活・人間観察を綴る。約300段からなり、「をかし」の美意識を代表する作品。
日本・京都
10世紀頃〜現在
インドネシアのバティック文化
蝋纈(ろうけつ)染めの技法で布に文様を施す伝統的な染織技術。チャンティンと呼ばれる蝋描き道具で蝋を塗り、染色する工程を繰り返す。宮廷では特定の文様が王族のみに許された「禁制文様」が存在した。2009年
インドネシア・ジャワ島
11世紀頃〜現在
ベトナムの水上人形劇
水面を舞台に木彫りの人形を操る独自の人形劇。操者は竹のスクリーン(簾)の背後で腰まで水に浸かり、長い竹竿と水面下の糸で人形を操作する。農村の祭祀で演じられた素朴な芸能が李朝期(11世紀)に宮廷に取り入
ベトナム・紅河デルタ
1008年頃
紫式部『源氏物語』の執筆
紫式部が藤原彰子の女房として宮仕えしながら執筆した長編小説。全54帖で光源氏の一生と子孫の物語を描く。人間の心理を精緻に描写し、世界最古の長編小説とも称される。平安貴族社会の文化・美意識・恋愛を余すと
日本・京都
11世紀後半
蘇軾(蘇東坡)と宋代文学
北宋最大の文人・蘇軾は詩・詞・散文・書画のすべてに秀でた。「赤壁の賦」「水調歌頭」など傑作を残す。唐宋八大家の一人。欧陽脩に見出され文壇の中心となったが、王安石の新法に反対して度々流刑に。
中国・開封〜各地
1100年頃
清明上河図と北宋の都市文化
張択端が描いた『清明上河図』は、北宋の首都・開封の汴河沿いの繁栄を全長5mの絵巻に描いた傑作。800人以上の人物、牛馬驢騾、船舶、建築が精密に描写され、宋代の都市生活を生き生きと伝える。
中国・開封
12世紀
高麗青磁の全盛期
高麗青磁は12世紀に最盛期を迎え、独自の翡色(ひすい色)の釉薬と象嵌技法で世界的に評価される。宋の使節・徐兢は『宣和奉使高麗図経』で高麗の陶器を「天下第一」と称した。象嵌青磁は高麗独自の技法で、白土と
高麗・全羅道(康津・扶安)
12世紀
鳥獣戯画の制作
『鳥獣人物戯画』は甲乙丙丁4巻からなる白描の絵巻物で、京都・高山寺に伝わる。特に甲巻は兎・蛙・猿が人間のように振る舞う姿を墨線のみで生き生きと描き、「日本最古の漫画」とも呼ばれる。作者は伝統的に鳥羽僧
日本・京都
12世紀前半
源氏物語絵巻の制作
『源氏物語絵巻』は紫式部の源氏物語を絵画化した現存最古の物語絵巻。吹抜屋台(屋根を省略して室内を俯瞰する)の技法と、引目鉤鼻(線で目と鼻を表す)の人物表現が特徴。現存する19場面は徳川美術館と五島美術
日本・京都
12世紀中頃
高麗青磁の象嵌技法の発明
高麗の陶工が独自に開発した象嵌青磁の技法。素地に文様を彫り込み、白土・赤土を嵌入して翡色の釉薬をかけて焼成する。雲鶴文、柳水禽文、蒲柳文などの典型的文様が発展。高麗青磁象嵌雲鶴文梅瓶(国宝第68号)は
高麗・全羅道康津
12世紀後半
パリ大学の設立
ノートルダム大聖堂付属学校から発展し、12世紀後半に大学(ウニウェルシタス=教師と学生の組合)として組織化された。神学部が最も権威があり、トマス・アクィナス、ボナヴェントゥラ、アルベルトゥス・マグヌス
フランス・パリ
13〜19世紀
ベニン王国の青銅文化
エド族のベニン王国は精巧な青銅・真鍮彫刻で世界的に知られる。ロスト・ワックス法(蝋型鋳造)による王の肖像、女王母の頭像、レリーフ板は、技術的にもルネサンス期のヨーロッパに匹敵する水準。宮廷文化の精緻さ
ナイジェリア・ベニン・シティ
12〜14世紀
イフェの青銅頭像の制作
ヨルバ人の聖都イフェで制作された写実的な青銅・テラコッタの頭像群。理想化された自然主義的様式は、古代ギリシャの古典期彫刻に比較される水準の高さを持つ。オニ(王)の頭像は顔面に並行線の儀式的瘢痕を持ち、
ナイジェリア・イフェ
1203年
運慶・快慶と鎌倉彫刻
運慶・快慶ら慶派の仏師たちが鎌倉彫刻に革命をもたらした。東大寺南大門の金剛力士像(1203年)は4人の仏師がわずか69日で完成させた8m超の巨作。写実的で力強い表現は武家社会の気風を反映。運慶の無著・
日本・奈良
1205年
新古今和歌集の編纂
後鳥羽上皇の命により藤原定家らが編纂した勅撰和歌集の最高峰。約2,000首を収め、幽玄・有心の美学を追求。定家の「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦のとまやの秋の夕暮」は「三夕の歌」として有名。西行・慈円
日本・京都
13世紀前半
平家物語の成立と琵琶法師
『平家物語』は平氏の栄華と滅亡を描いた軍記物語。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」の冒頭は日本文学で最も有名な書き出しの一つ。盲目の琵琶法師が琵琶の伴奏で語る「平曲」として広く流布。信濃前司行長
日本・京都
13世紀〜現在
マオリのハカの伝統
マオリの伝統的な戦闘舞踊で、足踏み、胸打ち、舌出し、怒りの表情を伴う力強いパフォーマンス。最も有名な「カ・マテ」はテ・ラウパラハ首長が19世紀初頭に作ったとされる。戦争の前だけでなく、歓迎、葬儀、祝祭
オセアニア・ニュージーランド
14〜16世紀
トンブクトゥの黄金時代
マリ帝国、そしてソンガイ帝国のもとでサハラ交易の中心地として繁栄。サンコレ大学(モスク兼学院)には約25,000人の学生が集まり、イスラム法学、天文学、医学、歴史学が教授された。数十万冊の写本が蓄積さ
マリ・トンブクトゥ
1320年頃
ダンテ『神曲』
ダンテ・アリギエーリがラテン語ではなくトスカーナ方言(俗語)で書いた叙事詩。地獄篇、煉獄篇、天国篇の三部からなり、ウェルギリウスとベアトリーチェの導きで死後の世界を旅する。「ここを入る者は一切の希望を
イタリア・フィレンツェ/ラヴェンナ
1332〜1406年
イブン・ハルドゥーンの活動
チュニス生まれのイスラム歴史家・社会学者。主著『歴史序説(ムカッディマ)』で文明の興亡の循環理論を提唱。遊牧民の「アサビーヤ(連帯意識)」が王朝の建設を可能にするが、都市化・文明化とともに衰退するとい
チュニジア・チュニス〜エジプト・カイロ
15世紀〜19世紀
朝鮮白磁の発展
朝鮮王朝は儒教の質素な美学を反映した白磁を王室・官府の公式陶磁器とした。純白の白磁から、青花(コバルトブルー)白磁、鉄砂白磁、辰砂(赤)白磁へと多様に展開。「月壺」と呼ばれる大型の白磁壺は柳宗悦が「世
朝鮮・広州(京畿道)
15世紀前半
世阿弥と能楽の大成
観阿弥・世阿弥父子が猿楽能を芸術的に洗練させた。世阿弥は『風姿花伝』をはじめとする能楽論を著し、「秘すれば花」「幽玄」の美学を確立。足利義満の庇護のもと、能は武家社会の公式芸能として定着した。
日本・京都
15世紀〜16世紀
明代小説の黄金時代
明代に中国四大奇書が成立。『三国志演義』(羅貫中)、『水滸伝』(施耐庵)、『西遊記』(呉承恩)、『金瓶梅』(蘭陵笑笑生)。白話(口語体)小説として大衆に広く読まれ、講談・戯曲の原作ともなった。
中国・各地
15世紀〜現在
タイの古典舞踊(コーン)
ラーマーヤナのタイ版「ラーマキエン」を題材とする仮面舞踊劇。精巧な仮面と豪華な衣装を身にまとった舞手が、ピーパートと呼ばれるタイ古典音楽の伴奏で演じる。すべての動作に象徴的意味があり、指先から足運びま
タイ・バンコク
1403年〜1408年
永楽大典の編纂
永楽帝の命で解縉らが編纂した世界最大の百科事典。全22,937巻、約3億7千万字を収録。経・史・子・集の全分野にわたる中国の知識を網羅的に収録した。原本は現在ほぼ散逸。
中国・南京〜北京
1413年〜1865年
朝鮮王朝実録の編纂
朝鮮王朝の太祖から哲宗まで25代472年間の記録。1,893巻888冊に及ぶ世界最大規模の単一王朝の年代記。国王すら閲覧できない厳格な秘密保持原則により、史官は権力に屈せず事実を記録した。1997年に
朝鮮・漢陽
1443年(公布1446年)
世宗大王によるハングル(訓民正音)の創制
朝鮮第4代王・世宗が独自の文字体系「訓民正音」を創制。28字(現在は24字)の音素文字で、「知恵ある者は朝の間に、愚かな者でも10日で学べる」とされる合理的な体系。1446年に『訓民正音解例本』として
朝鮮・漢陽
15世紀後半
雪舟の水墨画
室町時代最大の画家・雪舟は禅僧として明に渡り、帰国後に日本独自の水墨画を確立。『秋冬山水図』『天橋立図』『四季山水図巻(山水長巻)』など国宝6点を残す。中国の模倣ではない日本の風土に根ざした水墨画の完
日本・山口
15世紀後半
村田珠光と侘び茶の成立
村田珠光(1423-1502)は華美な唐物茶会から離れ、簡素で精神性を重視する侘び茶を創始。一休宗純に参禅して禅の精神を茶に取り込み、四畳半の小間での茶会を確立。和物の茶碗を積極的に用い、「冷え枯れる
日本・京都〜奈良
1472年〜1519年
レオナルド・ダ・ヴィンチの活動
画家・彫刻家・建築家・技術者・解剖学者・科学者として、ルネサンスの「万能人(ウォモ・ウニヴェルサーレ)」を体現した天才。『モナリザ』『最後の晩餐』『ウィトルウィウス的人体図』を制作し、約7000ページ
イタリア各地
1508年〜1512年
ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂天井画
教皇ユリウス2世の命により、ミケランジェロが約4年間かけて礼拝堂天井にフレスコ画を制作。中央に旧約聖書の創世記から9場面(天地創造、アダムの創造、ノアの洪水など)を描き、周囲に預言者、巫女、イグヌーデ
イタリア・ローマ(バチカン)
16世紀後半
千利休と茶道の大成
千利休が侘茶を大成し、茶道を日本文化の核心的芸術に昇華させた。二畳の極小茶室「待庵」(国宝)に象徴される究極の侘びの美学を追求。織田信長・豊臣秀吉に仕え、政治的にも大きな影響力を持ったが、1591年に
日本・京都/大阪
1576年〜1590年
狩野永徳の障壁画と安土桃山美術
狩野永徳(1543-1590)は安土桃山時代を代表する画家。安土城天主の障壁画、大坂城・聚楽第の装飾を手がけ、金碧障壁画の様式を確立した。「唐獅子図屏風」「洛中洛外図屏風」が代表作。力強い太い筆致と金
日本・京都〜安土
1583年〜1610年
マテオ・リッチの来華と西洋科学
イエズス会宣教師マテオ・リッチが中国に渡り、儒服を着て中国文化に適応しつつ布教。坤輿万国全図(世界地図)を作製し、ユークリッド幾何学を徐光啓と共訳。西洋天文学・数学・地理学を中国に紹介した。
中国・北京
1590-1613年頃
シェイクスピアの劇作活動
ウィリアム・シェイクスピアが約20年間に37篇(異説あり)の戯曲を執筆。『ハムレット』『マクベス』『オセロー』『リア王』の四大悲劇、『ロミオとジュリエット』『真夏の夜の夢』『テンペスト』など多様なジャ
イギリス・ロンドン
1598年
朝鮮陶工の日本連行と有田焼の起源
壬辰倭乱・丁酉再乱の際、日本の各大名が朝鮮の陶工を連行。李参平(有田焼の祖)、沈壽官(薩摩焼の祖)ら数百人の陶工が日本各地で陶磁器生産を開始した。「焼き物戦争」とも呼ばれる。有田焼は伊万里港から輸出さ
朝鮮半島南部〜日本(九州)
17世紀〜19世紀
ラージプート絵画の発展
ラージプート諸藩王国の宮廷で発展した細密画の伝統。クリシュナ伝説、ラーマーヤナ、季節画(バーラマーサー)、ラーガマーラー(楽曲の絵画化)が主要な主題。鮮やかな色彩と情感豊かな表現が特徴。パハーリー派(
南アジア・ラージャスターン
17世紀〜現在
アフリカのテキスタイル文化(ケンテ布)
アシャンティのケンテ布は、細い帯状の布を織機で織り上げ、それを縫い合わせて大きな布にする独特の技法で制作される。鮮やかな色彩と幾何学的パターンが特徴で、各パターンには固有の名称と意味がある。かつては王
ガーナ・クマシ
1603年頃
出雲阿国と歌舞伎の始まり
1603年頃、出雲大社の巫女と称する出雲阿国が京都の四条河原で「かぶき踊り」を披露し、歌舞伎の起源となった。阿国は男装して茶屋遊びの場面を演じる「阿国歌舞伎」で大人気を博した。以後、遊女歌舞伎・若衆歌
日本・京都
1607年〜1811年
朝鮮通信使と日本での文化交流
朝鮮通信使は300-500人の大使節団で、正使・副使のほか製述官(文人)・画員・医員・楽工などが同行。各地で日本の儒学者・文人と漢詩の応酬、書画の交換、医術の伝授が行われた。雨森芳洲(対馬藩)は「誠信
対馬〜江戸
17世紀後半〜18世紀前半
メキシコのバロック文化の開花
ヨーロッパのバロック様式がメキシコで先住民の装飾感覚と融合し、「ウルトラバロック」とも称される独自の豪華絢爛な様式を生み出した。テポソトランのイエズス会教会、プエブラのサント・ドミンゴ教会ロサリオ礼拝
メソアメリカ・メキシコ
1688年〜1704年
元禄文化の開花
元禄時代は町人文化が開花した時代。井原西鶴の浮世草子(『好色一代男』)、松尾芭蕉の俳諧、近松門左衛門の浄瑠璃が三大文学。菱川師宣の浮世絵、尾形光琳の琳派絵画、野々村仁清の色絵陶器など美術も隆盛。上方を
日本・上方〜江戸
1689年
松尾芭蕉『おくのほそ道』
松尾芭蕉が弟子の曾良と東北・北陸を巡った約150日間の旅の紀行文。「夏草や兵どもが夢の跡」(平泉)、「閑さや岩にしみ入る蝉の声」(立石寺)など珠玉の句を含む。俳諧を芸術の域に高めた不朽の名作。
日本・江戸〜東北〜北陸
1703年(曾根崎心中初演)
近松門左衛門と人形浄瑠璃
近松門左衛門は「日本のシェイクスピア」と称される劇作家。人形浄瑠璃の脚本家として『曾根崎心中』『心中天網島』『国性爺合戦』など約100作を執筆。町人の恋愛と義理人情の葛藤を描き、元禄文化を代表する。
日本・大阪
1727年
バッハ『マタイ受難曲』
ヨハン・セバスティアン・バッハがライプツィヒの聖トーマス教会カントルとして作曲した大規模な受難曲。2つの合唱団・オーケストラ、独唱者を配した壮大な構成で、マタイ福音書のイエスの受難を劇的に描写。メンデ
ドイツ・ライプツィヒ
18世紀前半
鄭敾の真景山水画
謙斎・鄭敾(1676-1759年)は「真景山水画」の創始者。中国の理想的山水を描く伝統から離れ、金剛山・仁王山などの朝鮮の実景を独自の筆法で描いた。代表作『金剛全図』『仁王霽色図』は朝鮮絵画の最高傑作
朝鮮・漢陽
18世紀中頃
パンソリの発展
一人の唱者(広大)が鼓手の太鼓伴奏に合わせ、歌(唱)・語り(アニリ)・身振り(バルリム)で物語を演じる韓国独自の音楽劇。最長8時間に及ぶ大作もある。現存する5曲は春香歌・沈清歌・興夫歌・水宮歌・赤壁歌
朝鮮・全羅道〜全国
1751年〜1772年
百科全書の出版
ドゥニ・ディドロとジャン・ル・ロン・ダランベールが編纂した『百科全書、あるいは科学・芸術・技能の合理的辞典』。全28巻(本文17巻、図版11巻)に約7万2千の項目と2885枚の図版を収録。ヴォルテール
フランス・パリ
1773年〜1782年
四庫全書の編纂と文字の獄
乾隆帝が命じた中国史上最大の叢書編纂事業。経・史・子・集の四部に分類し、3461種・約8億字を収録。同時に反清的な書物を徹底的に焚書・改竄する「文字の獄」を断行。知識人への思想統制を強化。
中国・北京
18世紀後半
金弘道と申潤福の風俗画
檀園・金弘道(1745-1806年頃)は農民・職人・庶民の生活を生き生きと描いた風俗画で知られる。『씨름図(相撲図)』『書堂図』など25点の風俗画帖は国宝に指定。蕙園・申潤福(1758-?)は妓生や遊
朝鮮・漢陽
1804年〜1830年
化政文化と歌舞伎・浮世絵の隆盛
文化・文政期の江戸を中心とする町人文化の爛熟。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』、滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』、小林一茶の俳句、東洲斎写楽の役者絵、歌川広重の『東海道五十三次』など。歌舞伎は7代目市川團十
日本・江戸
1824年
ベートーヴェン交響曲第9番初演
完全に聴力を失ったベートーヴェンが最後の交響曲を初演。第4楽章にシラーの詩『歓喜に寄す』の合唱を導入した史上初の合唱付き交響曲。初演は大成功であったが、ベートーヴェン自身は聴衆の拍手が聞こえず、独唱者
オーストリア・ウィーン
1831年頃
葛飾北斎『富嶽三十六景』
葛飾北斎が70歳を超えて制作した浮世絵風景版画の傑作。全46図(追加含む)で様々な角度から富士山を描く。「神奈川沖浪裏」はゴッホやドビュッシーに影響を与え、世界で最も有名な日本美術作品となった。
日本・江戸
1866年
ドストエフスキー『罪と罰』
フョードル・ドストエフスキーの代表作。貧しい学生ラスコーリニコフが「選ばれた人間」には殺人も許されるという理論に基づいて金貸しの老婆を殺害するが、良心の呵責に苦しみ、最終的に自首する。人間の罪悪と贖罪
ロシア・サンクトペテルブルク
1874年
印象派の誕生
モネ、ルノワール、ドガ、セザンヌ、ピサロ、モリゾらが官展(サロン)に対抗して独立展覧会を開催。モネの『印象、日の出』が批評家ルロワに揶揄的に「印象派」と名づけられた。光と色彩の瞬間的印象を戸外で直接描
フランス・パリ
1886年
自由の女神像の除幕式
フランスからアメリカへの友好の証として贈られた巨大な銅像。フレデリック・オーギュスト・バルトルディが設計し、ギュスターヴ・エッフェルが内部構造を担当。高さ46m(台座を含めると93m)。右手にたいまつ
北アメリカ・ニューヨーク
1887年
ホセ・リサールの文学と民族覚醒
ホセ・リサール(1861-1896年)がスペイン語で書いた小説『ノリ・メ・タンヘレ(我に触れるな)』(1887年)と続編『エル・フィリブステリスモ(反逆者)』(1891年)は、スペイン植民地支配とカト
フィリピン・マニラ
1897年〜現在
ベニン・ブロンズの返還問題
1897年にイギリス軍がベニン王国を征服した際に略奪された約4000点の青銅・真鍮・象牙の芸術品。大英博物館、ベルリン民族学博物館、メトロポリタン美術館などに分散収蔵されている。2020年代に入り返還
ナイジェリア・ベニン・シティ
20世紀初頭〜現在
ベトナムのフォーとフランス植民地文化の融合
ベトナムの国民的料理フォー(Phở)は、米粉の麺と牛骨または鶏のスープを基本とする麺料理。フランス植民地時代に牛肉食の習慣が導入され、在来の米麺文化と融合して20世紀初頭にハノイで誕生したとされる。現
ベトナム・ハノイ
1913年
タゴールのノーベル文学賞受賞
ラビンドラナート・タゴール(1861-1941年)がアジア人として初めてノーベル文学賞を受賞。受賞作は詩集『ギーターンジャリ(歌の捧げ物)』の英訳版。詩人・小説家・劇作家・画家・教育者・思想家として多
南アジア・ベンガル
1913年〜
ボリウッド映画産業の発展
1913年にダーダーサーヘブ・パールケーが初のインド長編映画『ラージャー・ハリシュチャンドラ』を製作。以後ボンベイを中心にインド映画産業(通称ボリウッド)が急成長。年間約1500〜2000本の映画を製
南アジア・ムンバイ
1920年代〜1930年代
ハーレム・ルネサンス
1920-30年代にニューヨークのハーレムを中心に展開したアフリカ系アメリカ人の文化・芸術運動。ラングストン・ヒューズ、ゾラ・ニール・ハーストン、クロード・マッケイらの文学、デューク・エリントン、ルイ
北アメリカ・ニューヨーク
1930年代〜1960年代
ネグリチュード運動
1930年代にパリで学ぶアフリカ・カリブ海の黒人知識人が提唱した文学・思想運動。セネガルのレオポルド・セダール・サンゴール、マルティニークのエメ・セゼール、仏領ギアナのレオン・ゴントラン・ダマスが中心
セネガル・ダカール〜フランス・パリ
1936年頃
バラタナティヤムの復興
南インドの古典舞踊バラタナティヤムがルクミニ・デーヴィ・アルンデールらの努力により近代的な舞台芸術として復興された。元来はデーヴァダーシー(寺院の舞姫)の伝統であったが、イギリス植民地時代に抑圧された
南アジア・タミルナードゥ
1958年
チヌア・アチェベ『崩れゆく絆』出版
ナイジェリアのイボ族作家チヌア・アチェベが英語で発表した小説。植民地化以前のイボ族社会が、キリスト教宣教師とイギリス植民地政府の到来により崩壊していく過程を主人公オコンクウォの悲劇を通じて描く。50以
ナイジェリア・イバダン
1961年
フランツ・ファノン『地に呪われたる者』
マルティニーク出身の精神科医フランツ・ファノンがアルジェリア独立戦争に参加しながら執筆した革命的テキスト。植民地主義の暴力的構造を分析し、被植民者の暴力的解放を正当化した。サルトルが序文を寄せた。ファ
チュニジア・チュニス(執筆地)
1964年10月10日
東京オリンピック
1964年10月10日から24日まで、アジア初のオリンピックが東京で開催された。93カ国・地域から5,151名の選手が参加。柔道が初めて正式種目となり、女子バレーボール日本代表「東洋の魔女」が金メダル
日本・東京
1967年
ガブリエル・ガルシア・マルケス『百年の孤独』とラテンアメリカ文学ブーム
1967年にガブリエル・ガルシア・マルケスが発表した『百年の孤独(Cien años de soledad)』は、ラテンアメリカ文学ブーム(el Boom)の頂点を象徴する作品となった。架空の村マコン
南米・コロンビア
1969〜1997年
フェラ・クティとアフロビートの誕生
ナイジェリアの音楽家フェラ・アニクラポ・クティが、ヨルバ伝統音楽、ハイライフ、ジャズ、ファンクを融合させて「アフロビート」を創出。1曲が20-30分に及ぶ長大な楽曲で、軍事政権への痛烈な政治批判を歌っ
ナイジェリア・ラゴス
1970年
大阪万博(日本万国博覧会)
1970年3月15日から9月13日まで、「人類の進歩と調和」をテーマにアジア初の万国博覧会が開催された。77カ国が参加し、総入場者数は約6,422万人で当時の万博史上最多。岡本太郎の太陽の塔、月の石の
日本・大阪
1971年〜
アボリジニのドットペインティング運動
1971年、パプーニャの学校教師ジェフリー・バードンが先住民の子供たちに壁画制作を奨励したことをきっかけに、長老たちがドリームタイムの物語を点描技法(ドットペインティング)でキャンバスに描き始めた。パ
オセアニア・オーストラリア中央部
1973年
シドニー・オペラハウスの完成
デンマークの建築家ヨーン・ウツソンが設計した20世紀を代表する建築作品。貝殻または帆を思わせる白いコンクリートの屋根が特徴。1957年の国際設計競技でウツソンの案が採用されたが、建設は技術的困難と予算
オセアニア・オーストラリア
1980年〜1988年
プラムディヤ・アナンタ・トゥールの文学
インドネシア最大の作家プラムディヤ・アナンタ・トゥール(1925-2006年)がブル島の政治犯収容所で口述した「ブル・カルテット」四部作(『人間の大地』『すべての民族の子』『足跡』『ガラスの家』)。イ
インドネシア・ジャカルタ
1986年
ウォレ・ショインカのノーベル文学賞受賞
ナイジェリアの劇作家・詩人・小説家ウォレ・ショインカがアフリカ人として初めてノーベル文学賞を受賞。「広い文化的視野の中で、存在のドラマを練り上げた」と評された。ヨルバ神話と西洋演劇を融合させた独自の劇
ナイジェリア・ラゴス
2008年
北京オリンピック
北京で第29回夏季オリンピックが開催。開会式は張芸謀が演出し、中国の歴史と文化を壮大に表現。中国は金メダル51個を獲得して1位に。大国としての復活を世界に印象づけた。総費用は約400億ドル。
中国・北京
2012年〜
K-POPとBTSの世界的成功
BTS(防弾少年団、2013年デビュー)がBillboard Hot 100で1位を獲得(2020年「Dynamite」)し、K-POPの世界的地位を確立。BLACKPINK、TWICEなども世界的人
韓国・ソウル
2020年
韓国映画『パラサイト』アカデミー賞受賞
ポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が第92回アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚本賞・国際長編映画賞の4冠を達成。非英語映画として初の作品賞受賞。韓国の社会的格差をブラックコメディとスリラーで
韓国・ソウル
2021年7月〜8月
東京オリンピック2020
2020年東京オリンピックはCOVID-19パンデミックにより1年延期され、2021年7月23日から8月8日まで開催された。33競技339種目が実施され、日本は金メダル27個を獲得して過去最多を記録。
日本・東京