概要

完全に聴力を失ったベートーヴェンが最後の交響曲を初演。第4楽章にシラーの詩『歓喜に寄す』の合唱を導入した史上初の合唱付き交響曲。初演は大成功であったが、ベートーヴェン自身は聴衆の拍手が聞こえず、独唱者に促されて振り返り万雷の喝采を見た。

歴史的背景

ベートーヴェンは1818年頃から完全に聴力を失い、筆談帳でしかコミュニケーションを取れなかった。にもかかわらず後期の傑作群(弦楽四重奏曲、ピアノソナタ、ミサ・ソレムニス)を創作し続けた。「歓喜の歌」は青年期からの構想であった。

地形・地理的特徴

ウィーンのケルントナートーア劇場で初演された。ドナウ河畔の音楽の都ウィーンは、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトが活躍した古典派音楽の中心地であった。

歴史的重要性

西洋音楽史上最も偉大な作品の一つであり、EUの公式の歌として採用されている。芸術における人間精神の勝利を体現し、障害を超越した創造力の象徴。交響曲の形式的限界を突破し、ロマン派音楽の扉を開いた。

参考文献

  • ヤン・スワフォード『ベートーヴェン 苦悩と勝利』