概要
フェニキアの都市ティルスからの植民者がチュニス湾岸にカルタゴ(「新しい都市」の意)を建設。伝説ではティルスの王女エリッサ(ディド)が牛皮一枚分の土地という約束を巧みに解釈して広大な土地を確保したとされる。やがてフェニキア植民地ネットワークの盟主となり、西地中海最大の海洋帝国に成長した。
歴史的背景
フェニキア人は紀元前12世紀頃から西地中海各地に交易拠点を建設していた。ティルスの政治的混乱(アッシリアの圧迫)から逃れた王族・貴族が新天地を求めてカルタゴを建設したとされる。
地形・地理的特徴
チュニス湾に突出する半島上に位置し、天然の良港と防御に適した地形を併せ持つ。ビュルサの丘が城塞の中心となり、コトンと呼ばれる人工軍港が海軍力の基盤となった。地中海の東西を結ぶシチリア海峡に近く、海上交易の要衝であった。アフリカ内陸との交易路の終点でもある。
歴史的重要性
西地中海を支配する大海洋帝国の起源。ローマとの対決(ポエニ戦争)は古代世界の運命を決定づけた。カルタゴの商業文明はフェニキア文化の継承・発展であり、アルファベットの西方伝播にも寄与した。
参考文献
- Hoyos, D., 'The Carthaginians'
- Lancel, S., 'Carthage: A History'