概要
イギリス海軍のジェームズ・クック中尉がHMSエンデヴァー号で第1回航海の途上、1769年10月にニュージーランド北島東岸のポバティー湾に到達。約6カ月をかけてニュージーランドの海岸線を周航し、驚異的な精度で地図を作成した。植物学者ジョセフ・バンクスと天文学者チャールズ・グリーンが同行し、マオリとの接触・交易も行われた。
歴史的背景
王立協会の支援による金星の太陽面通過観測(タヒチ)を第一の目的とし、南方大陸の探索を秘密指令として持っていた。18世紀啓蒙時代の科学的好奇心と帝国の領土拡大意図が結合した航海であり、リンネの弟子ダニエル・ソランダーらの参加は自然史研究の目的を反映していた。
地形・地理的特徴
ニュージーランドは北島と南島からなる細長い島嶼国で、南島にはサザンアルプスが連なり、北島には火山帯が走る。クックが最初に上陸したポバティー湾(ギズボーン近郊)は北島東岸の比較的穏やかな入り江であり、クック海峡を通過して両島が分離していることを確認した航海ルートは、複雑な海岸線と強い海流に阻まれる難航路だった。
歴史的重要性
ニュージーランドの正確な海図が初めて作成され、ヨーロッパにおける南太平洋の地理認識を根本的に変えた。クックの測量はその後のイギリスのニュージーランド植民地化の基礎となり、マオリ社会に深刻な影響を及ぼすヨーロッパ人との恒常的接触の端緒となった。科学探検の模範として後世の探検に多大な影響を与えた。
参考文献
- Beaglehole, J.C. 'The Life of Captain James Cook' (1974)
- Salmond, A. 'Two Worlds: First Meetings Between Maori and Europeans' (1991)