概要

朝鮮第21代王・英祖が息子の世子(思悼世子、荘献世子)を米櫃(ティジュ)に閉じ込めて8日後に餓死させた事件。英祖と世子の間の深刻な父子対立、老論派の世子排除の画策が背景にある。世子の妃・恵慶宮洪氏の回想録『恨中録』は朝鮮文学の傑作。

歴史的背景

英祖は即位の正統性をめぐる論争に悩まされ、完璧な後継者を求めた。思悼世子は父の期待に応えられず精神的に不安定となり、宮中で殺人事件を起こすなど問題行動が激化。老論派は世子を排除して嫡孫(後の正祖)を後継にしようと画策した。

地形・地理的特徴

昌慶宮の宣仁門前が悲劇の現場。狭い宮城の空間で父王・英祖が息子・思悼世子を米櫃に閉じ込めて餓死させるという事件が発生。宮城の閉鎖的構造が王室の悲劇を外部に漏れにくくした。

歴史的重要性

朝鮮王室の悲劇として最も有名な事件。正祖の治世はこの悲劇の清算と父の名誉回復を軸に展開された。多数の小説・映画・ドラマの題材となり、韓国文化における「恨」の象徴的事例。

参考文献

  • 恨中録
  • 朝鮮王朝実録