概要
ドゥニ・ディドロとジャン・ル・ロン・ダランベールが編纂した『百科全書、あるいは科学・芸術・技能の合理的辞典』。全28巻(本文17巻、図版11巻)に約7万2千の項目と2885枚の図版を収録。ヴォルテール、モンテスキュー、ルソー、テュルゴーら約160名の執筆者が参加した。
歴史的背景
イギリスのチェンバーズの百科事典の翻訳企画として始まったが、ディドロが独自の壮大なプロジェクトに発展させた。教会と王権の検閲に繰り返し妨害され、一時出版停止も受けたが、マルゼルブ書籍局長官の暗黙の支援で完成に至った。
地形・地理的特徴
パリの出版業界とサロン文化が百科全書プロジェクトの知的・物質的基盤を提供した。セーヌ川左岸のサン・ジェルマン地区に集まった啓蒙思想家たちの知的ネットワークが全28巻の編纂を可能にした。
歴史的重要性
啓蒙思想の集大成であり、理性と科学に基づく知識の体系化を目指した記念碑的出版物。技術・職人の仕事を図版で詳細に記録したことは実用的知識の民主化を促進。フランス革命の知的準備に大きく寄与した。
参考文献
- ロバート・ダーントン『百科全書のビジネス』
- フランク・カフカー『百科全書の協力者たち』