概要

テュロスはフェニキア最有力の海洋都市国家として、地中海全域に交易ネットワークを展開した。紫の染料(テュリアン・パープル)の生産で知られ、カルタゴをはじめ北アフリカ・イベリア半島に多数の植民都市を建設。ソロモン王のエルサレム神殿建設にレバノン杉と技術者を提供したヒラム王との同盟でも知られる。

歴史的背景

前1200年のカタストロフでミケーネ文明やヒッタイト帝国が崩壊した後の権力の空白を埋めるように、フェニキア都市国家群が地中海交易の主導権を握った。

地形・地理的特徴

テュロス(現スール)は地中海東岸の島嶼都市で、本土から約800m離れた岩礁上に築かれた。島の位置が天然の防御を提供し、陸軍による攻略を極めて困難にした。アレクサンドロスが海峡を埋め立てて陸繋島としたことで有名。

歴史的重要性

フェニキア人の地中海植民活動は古代世界のグローバル化の先駆けであり、アルファベット・航海技術・商業慣行を各地に伝播させた。カルタゴ建設は地中海史の重要転換点であった。

参考文献

  • The Phoenicians (S. Moscati)
  • Lebanon: A History (W. Harris)