概要
「太陽王」ルイ14世がフランス絶対王政の象徴として建設した世界最大級の宮殿。主設計はル・ヴォーとマンサール、庭園設計はル・ノートル。鏡の間(ガラリー・デ・グラス)は長さ73m、357枚の鏡を配した壮麗な空間。約3万6千人の労働者が30年以上かけて建設。宮殿には約1万人の貴族と使用人が居住した。
歴史的背景
1661年のマザランの死後、ルイ14世は親政を開始し「朕は国家なり」を体現する統治を展開。フロンドの乱(1648-53年)の記憶から、貴族をパリから引き離し宮廷に縛り付けるため、ヴェルサイユへの政府移転を決断した。
地形・地理的特徴
パリ南西約20kmの沼沢地帯を大規模に造成して建設された。元来は狩猟用の小さな館があるだけの不毛な土地で、それをフランス最大の宮殿に変えたこと自体がルイ14世の絶対的権力の表現であった。広大な幾何学的庭園はル・ノートルが設計した。
歴史的重要性
ヨーロッパの絶対主義のモデルとなり、各国の宮殿(シェーンブルン、ペテルホフ、ポツダム)がヴェルサイユを模倣した。フランス古典主義芸術の頂点であり、バロック庭園の最高傑作。1789年にフランス革命で民衆がヴェルサイユに行進するまで政治の中心であった。
参考文献
- トニー・スポールディング『ヴェルサイユ宮殿の建設』
- ウィリアム・リッチー・ニュートン『ヴェルサイユの裏側』