概要
ムガル帝国第6代皇帝。兄弟間の後継争いで勝利し即位。帝国を最大版図に拡大したが、正統イスラム政策(ジズヤ税の復活、ヒンドゥー寺院の破壊命令)により非ムスリムの反発を招いた。デカン遠征に後半生の大半を費やし、マラーター勢力との長期戦争で帝国の財政と軍事力を消耗させた。
歴史的背景
シャー・ジャハーンの四男として生まれ、兄ダーラー・シコーとの激しい後継争いの末に勝利。ダーラーの宗教融和路線に対し、アウラングゼーブは正統スンニ派イスラムへの回帰を掲げた。
地形・地理的特徴
ムガル帝国はアウラングゼーブの治世でインド亜大陸のほぼ全域(約400万平方km)を支配。ヒンドゥークシュ山脈からデカン高原南端まで、多様な地形・気候帯にまたがる広大な領域。
歴史的重要性
ムガル帝国の最大版図を実現したが、同時にその衰退の原因も作った。宗教的不寛容政策はシク教徒・マラーター・ラージプートの反乱を招き、帝国の求心力を著しく低下させた。その死後、帝国は急速に分裂・衰退した。
参考文献
- Audrey Truschke, Aurangzeb: The Life and Legacy of India's Most Controversial King, 2017
- John Richards, The Mughal Empire, 1993