概要
ヨーロッパのバロック様式がメキシコで先住民の装飾感覚と融合し、「ウルトラバロック」とも称される独自の豪華絢爛な様式を生み出した。テポソトランのイエズス会教会、プエブラのサント・ドミンゴ教会ロサリオ礼拝堂などが代表例。文学ではソル・フアナ・イネス・デ・ラ・クルス(1651-95年)がスペイン語圏最高の女性詩人として活躍した。
歴史的背景
カトリック教会が先住民のキリスト教化の手段として壮麗な教会建築を推進した。先住民の石工・職人が装飾を担当し、ヨーロッパのモチーフに先住民の図像を混入させた(テキトキ様式)。植民地エリートは教会の建設・装飾を通じて富と敬虔さを誇示した。
地形・地理的特徴
メキシコ中央高原の諸都市(メキシコシティ、プエブラ、オアハカ、タスコなど)。火山性の色彩豊かな石材(テソンテ:赤い軽石、チルーカ:灰色の石材)やプエブラのタラベラ陶器タイルが独特のバロック建築の素材となった。
歴史的重要性
ヨーロッパと先住民の文化が融合したメスティソ文化の最高の表現として、ラテンアメリカ独自のアイデンティティの形成に寄与した。ソル・フアナは女性の知的活動の権利を主張した先駆者として、フェミニズムの歴史においても重要な位置を占める。
参考文献
- Paz, Sor Juana, or, The Traps of Faith
- Toussaint, Colonial Art in Mexico