概要

ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが愛妃ムムターズ・マハルの死を悼んで建設した白大理石の霊廟。2万人以上の職人が約20年をかけて完成。左右対称の完璧な設計、大理石の透かし彫り(ジャーリー)、宝石象嵌(パルチーン・カーリー)が特徴。世界で最も美しい建造物と称される。

歴史的背景

ムムターズ・マハルは14人目の出産で死去(1631年)。シャー・ジャハーンは深い悲嘆に暮れ、世界に類を見ない霊廟の建設を命じた。ウスタード・アフマド・ラーホーリーが主任建築家とされる。建設費は当時の約3200万ルピーに達した。

地形・地理的特徴

ヤムナー川南岸の沖積地に建設。川の対岸からの眺望を計算した配置で、水面に映る姿が設計に組み込まれている。アーグラ周辺の赤砂岩と、ラージャスターンから運ばれた白大理石が主要な建材。

歴史的重要性

ムガル建築の最高傑作にして世界文化遺産の象徴的存在。新・世界七不思議の一つに選定(2007年)。インド・イスラム建築の集大成として、ペルシャ・中央アジア・インドの建築伝統の融合を体現。年間700万人以上が訪問するインド最大の観光資源。

参考文献

  • Ebba Koch, The Complete Taj Mahal, 2006
  • UNESCO World Heritage, Taj Mahal, 1983