概要
チリ南部で発見された先史時代の定住遺跡で、北アメリカのクローヴィス文化より約1000年古い。トム・ディレハイにより1977年から発掘され、木造の住居跡、石器、薬草、動物の骨、さらにジャガイモの野生種が出土した。約20-30人が居住したと推定され、海藻や薬草の利用が確認されている。
歴史的背景
従来のクローヴィス・ファースト説(約13500年前に北米から人類が南下したとする仮説)に対する重大な反証となった。ベーリング陸橋経由の移住だけでなく、太平洋沿岸ルートによる早期南下の可能性が示唆された。南米への人類到達時期を大幅に遡らせる発見であった。
地形・地理的特徴
チリ南部のモンテ・ヴェルデはリャンキウエ湖近くの湿地帯に位置し、チンチワピ川沿いの低湿地が遺物を泥炭層で密封保存した。アンデス山脈西麓の温帯雨林地帯で、豊富な植物資源と水産資源が初期定住を支えた。この湿潤環境が有機物の保存に適し、通常は残らない木製品や植物遺体が発見された。
歴史的重要性
アメリカ大陸への人類最初の到達に関する定説を覆し、クローヴィス・ファースト仮説の修正を迫った。沿岸移住ルート説の有力な根拠となり、人類拡散の研究に革命的な影響を与えた。2008年にはさらに古い層(約18500年前)の報告もなされている。
参考文献
- Tom Dillehay, Monte Verde: A Late Pleistocene Settlement in Chile
- Science, 1997