概要
退溪李滉(1501-1570年)は朝鮮性理学を大成した最大の儒学者。朱子学を朝鮮の風土に即して再解釈し、「理気互発説」を提唱。理(道徳的原理)の能動性を強調し、栗谷李珥の「気発理乗一途説」と大論争を展開した。陶山書院を拠点に嶺南学派を形成。
歴史的背景
朝鮮は建国以来、朱子学を国家の正統思想として採用。16世紀に入ると、単なる受容から独自の哲学的発展段階に入り、李滉と李珥という二大儒者が登場して朝鮮性理学の黄金時代を現出した。
地形・地理的特徴
洛東江上流の安東は太白山脈の西麓に位置する山間盆地。外部との交通が不便な地理的条件が、学問に専念する環境を提供した。陶山書堂(後の陶山書院)は山腹の静寂な場所に建てられた。
歴史的重要性
韓国の1,000ウォン紙幣に肖像が描かれる国民的学者。退溪学は日本(藤原惺窩、林羅山)にも伝わり、東アジア儒学の発展に貢献した。陶山書院は2019年にユネスコ世界遺産「韓国の書院」の一つとして登録。
参考文献
- 退溪集
- 聖学十図