概要
ディエゴ・ワルパが1545年に発見したとされる世界最大の銀鉱山。16-17世紀にかけて世界の銀生産の約半分を占めた。最盛期の1650年頃、ポトシの人口は推定16万人に達し、当時のロンドンやパリを凌ぐ規模であった。ミタ制(先住民の強制労働)と水銀アマルガム法による精錬が大規模に行われた。
歴史的背景
スペイン王室はインカのミタ制を転用し、先住民に鉱山労働を強制した。毎年約1万3500人の先住民が数百kmの距離を歩いて鉱山労働に駆り出され、劣悪な条件下で水銀中毒や坑道事故で大量に死亡した。推定800万人がポトシの鉱山労働で命を落としたとされる。
地形・地理的特徴
アンデス高原の標高約4090mに位置するセロ・リコ(豊かな山)。世界で最も高い位置にある大都市の一つ。高地の過酷な環境(低酸素、極寒、乾燥)は鉱山労働者に過酷な条件を強いた。銀鉱脈はセロ・リコの山体に集中し、数千の坑道が掘られた。
歴史的重要性
ポトシ銀は「価格革命」を引き起こしヨーロッパ経済を根本的に変えた。マニラ・ガレオン貿易を通じて中国の銀需要を満たし、初めての真の世界経済を形成した。一方で先住民の搾取は植民地主義の最も暴力的な側面を象徴する。
参考文献
- Galeano, Open Veins of Latin America
- Tandeter, Coercion and Market