概要

カカドゥ国立公園内のウビル、ノーランジーロックなどに数千カ所の岩壁画が残る。最古のものは2万年以上前に遡り、X線スタイル(動物の骨格や内臓を透視的に描く技法)が特徴的。絶滅したメガファウナ(タスマニアタイガーの祖先など)、ヨーロッパ人の帆船、ライフルなど時代の変遷が記録されている。

歴史的背景

アボリジニの岩壁画は「美術作品」ではなく、ドリームタイムの物語を記録・更新する宗教的行為である。新しい出来事(ヨーロッパ人の到来など)も壁画に加えられ、「生きたアーカイブ」として機能してきた。特定の壁画は特定の儀礼とのみ結びつき、許可なく見ることが禁じられている場所もある。

地形・地理的特徴

ノーザンテリトリーのアーネムランド台地の砂岩の崖と岩陰。モンスーン気候で乾季と雨季が明瞭に分かれ、雨季には広大な湿地が形成される。岩陰は雨季の避難所であり、描画に適した平坦な岩面が豊富に存在する。

歴史的重要性

人類最古の連続的な芸術的伝統の一つであり、数万年にわたる文化的連続性を示す。1981年にユネスコ世界遺産(複合遺産)に登録。先住民の芸術と生態学的知識を記録した世界最大の岩壁画ギャラリー。

参考文献

  • Chaloupka, Journey in Time
  • Taçon & Chippindale, The Archaeology of Rock-Art