概要
15世紀のポルトガルの進出に始まり、16-19世紀にかけて約1200万人のアフリカ人が大西洋を越えてアメリカ大陸に強制移送された。「三角貿易」(ヨーロッパの工業製品→アフリカの奴隷→アメリカの砂糖・綿花)が大西洋経済を構成した。「中間航路」での死亡率は約15-20%に達した。
歴史的背景
新大陸のプランテーション(砂糖、タバコ、綿花)の労働力需要が奴隷貿易を駆動した。アフリカ側ではダホメ王国やアシャンティ帝国などが奴隷供給に関与し、戦争捕虜や犯罪者が売却された。ヨーロッパの火器の供給が戦争と奴隷獲得を加速させた。
地形・地理的特徴
ギニア湾岸の「奴隷海岸」「黄金海岸」「象牙海岸」と呼ばれた地域が主要な奴隷積出港を擁していた。河川が内陸部からの奴隷輸送路として機能し、沿岸の要塞(エルミナ城、ケープ・コースト城等)が取引の拠点となった。大西洋の貿易風と海流が三角貿易の航路を規定した。
歴史的重要性
人類史上最大の強制移住であり、アフリカの人口・社会・経済に壊滅的な影響を与えた。新大陸のアフリカ系ディアスポラの文化(音楽、宗教、言語)の基盤。奴隷貿易の記憶は現代の人種問題と国際関係に深い影を落としている。
参考文献
- Thomas, H., 'The Slave Trade'
- Eltis, D., 'The Rise of African Slavery in the Americas'