概要
朝鮮第4代王・世宗が独自の文字体系「訓民正音」を創制。28字(現在は24字)の音素文字で、「知恵ある者は朝の間に、愚かな者でも10日で学べる」とされる合理的な体系。1446年に『訓民正音解例本』として公布。世界の文字の中で創制者・創制年・創制原理が明確な唯一の例。
歴史的背景
当時の朝鮮では漢字が公用文字であったが、一般民衆は漢字を使えず、自分の意思を文字で表現できなかった。世宗は「愚かな民が言いたいことがあっても表現できないことを憐れに思い」この文字を作ったと序文で述べている。
地形・地理的特徴
景福宮内の集賢殿が訓民正音の研究・制作の中心地であった。宮城という閉鎖的空間での秘密裡の作業が、両班の反対を押し切っての創制を可能にした。
歴史的重要性
世界言語学史上の偉業。科学的な音韻分析に基づく人工文字の最高傑作と評価される。ユネスコ世界記録遺産に登録。現代韓国語・朝鮮語の表記体系の基礎であり、韓国では10月9日がハングルの日として祝日に制定されている。
参考文献
- 訓民正音解例本
- 朝鮮王朝実録