概要
ウガリトは後期青銅器時代の国際的交易都市で、エジプト、ヒッタイト、メソポタミア、エーゲ海世界をつなぐ交易網の結節点であった。1929年の偶然の発見以来の発掘で、30文字の楔形アルファベット文字、多言語の外交文書、宗教文学(バアル神話)が出土し、古代オリエント研究を革命的に変えた。
歴史的背景
ウガリトはエジプトとヒッタイトの勢力圏の境界に位置し、両大国の間で巧みに外交を展開した。前1200年のカタストロフにより「海の民」の攻撃で滅亡したとされる。
地形・地理的特徴
ウガリト(現ラス・シャムラ)はシリア北西部の地中海沿岸に位置し、肥沃な海岸平野と内陸への交易路の接点にあった。地中海の港と内陸を結ぶ位置が国際交易の拠点としての発展を可能にした。
歴史的重要性
ウガリト文字はフェニキア文字の先駆であり、アルファベットの発展史における重要な段階を示す。バアル神話は旧約聖書のカナン宗教批判の背景を理解する上で不可欠の資料である。
参考文献
- Ugarit and the Old Testament (P.C. Craigie)
- Ras Shamra発掘報告