概要
建築家フィリッポ・ブルネレスキが、支保工(型枠)なしで二重殻構造の巨大ドームを建設するという前代未聞の工法で完成させた。ヘリンボーン(魚骨)パターンの煉瓦積みと、自ら発明した起重機を使用。ドームの重量は約3万7千トン。教皇エウゲニウス4世が献堂式を執行した。
歴史的背景
大聖堂は1296年に着工されたが、八角形の巨大な開口部にドームを架ける技術的解決策が見つからず、100年以上放置されていた。1418年のコンペティションでブルネレスキが当選し、16年の歳月をかけて完成させた。
地形・地理的特徴
フィレンツェ市街の中心に位置するサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。ドームの直径42mは古代ローマのパンテオン以来最大であり、アルノ川流域の景観を圧倒する高さ114mの頂点に達した。トスカーナの丘陵からも遠望できる。
歴史的重要性
ルネサンス建築の出発点であり、古代ローマの建築技術を超えた最初の事例。ブルネレスキの工学的革新は近代建築工学の先駆であり、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロに影響を与えた。フィレンツェの市民的誇りの象徴。
参考文献
- ロス・キング『ブルネレスキのドーム』
- ジョルジョ・ヴァザーリ『美術家列伝』