概要
「香辛料諸島」として知られたモルッカ諸島は、丁子とナツメグの世界唯一の産地として数世紀にわたり世界経済を動かした。ポルトガル(1512年到達)、スペイン、オランダ(VOC)が争奪戦を展開。VOCは1621年にバンダ諸島住民を虐殺・追放し、独占栽培体制を確立した。
歴史的背景
丁子とナツメグはヨーロッパで金と同等かそれ以上の価値を持った。ヴァスコ・ダ・ガマの航路発見(1498年)が直接貿易を可能にし、マゼランの世界周航もモルッカ到達が目的であった。テルナテ王国とティドレ王国の対立をヨーロッパ勢力が利用した。
地形・地理的特徴
バンダ海とセラム海に浮かぶ小さな火山島群。テルナテ島・ティドレ島は丁子(クローブ)の原産地、バンダ諸島はナツメグ・メース唯一の原産地。火山性の肥沃な土壌と海洋性気候がこれらの香辛料の生育に最適であった。
歴史的重要性
大航海時代を駆動した経済的動機の核心。「世界はナツメグのために征服された」とも言われる。VOCのバンダ虐殺は植民地暴力の初期の典型例。18世紀にフランスがモーリシャスに苗木を密輸し、独占が崩壊した。
参考文献
- 香辛料貿易史
- VOC記録