概要

朝鮮王朝は儒教の質素な美学を反映した白磁を王室・官府の公式陶磁器とした。純白の白磁から、青花(コバルトブルー)白磁、鉄砂白磁、辰砂(赤)白磁へと多様に展開。「月壺」と呼ばれる大型の白磁壺は柳宗悦が「世界で最も美しい壺」と称えた。

歴史的背景

朝鮮王朝の儒教理念は華美を排し質素を尊ぶ美学をもたらした。高麗青磁の装飾性に代わり、白の清浄さと器形の端正さが追求された。分院(官窯)制度のもとで国家が品質を管理した。

地形・地理的特徴

京畿道広州の丘陵地帯に王室用の官窯(分院)が設置された。漢江上流域の森林資源が薪を供給し、漢江の水運が完成品の都城への輸送を容易にした。

歴史的重要性

朝鮮の美意識の結晶。日本の茶道文化に大きな影響を与え、井戸茶碗(高麗茶碗)は茶人に珍重された。壬辰倭乱で連行された朝鮮陶工が日本各地で陶磁器生産を開始(有田焼、薩摩焼の起源)。

参考文献

  • 朝鮮陶磁史
  • 分院窯跡調査報告