概要
百年戦争初期の大会戦。エドワード3世率いるイングランド軍(約1万2千)がフィリップ6世のフランス軍(約3万)を圧倒的に撃破。イングランドの長弓兵が毎分10-12本の矢を放ち、フランス騎兵の突撃を粉砕した。フランス側の死者は約4000人(うち騎士1500人以上)。黒太子エドワードが初陣を飾った。
歴史的背景
フランスのカペー朝断絶に伴い、イングランド王エドワード3世がフランス王位を主張して開戦(1337年)。エドワードはフランス北部を略奪する「シュヴォシェ(焦土作戦)」を展開し、フィリップ6世の追撃軍とクレシーで会戦となった。
地形・地理的特徴
クレシー・アン・ポンテュー近郊の緩やかな丘陵地帯。イングランド軍は丘の上に防御陣地を構築し、フランス騎兵の突撃を迎え撃った。泥濘の地面がフランス重騎兵の機動を制約し、8月の夕立が弩の弦を湿らせてジェノヴァ傭兵の射撃を妨げた。
歴史的重要性
中世の重装騎兵優位の終焉を告げる画期的会戦。イングランドの長弓兵が封建騎士を圧倒したことは、軍事革命の先駆であり、歩兵と射撃武器の重要性を実証した。百年戦争の初期イングランド優位を確立した。
参考文献
- ジャン・フロワサール『年代記』
- ジョナサン・サンプション『百年戦争』