概要
ハリハラ1世とブッカ1世の兄弟が建国した南インド最大のヒンドゥー帝国。首都ハンピは最盛期に50万人以上の人口を擁し、ローマに匹敵すると称された。クリシュナデーヴァラーヤ王の治世(1509-1529年)が黄金期。ポルトガルとの交易で繁栄したが、1565年のターリコータの戦いで敗北し衰退。
歴史的背景
デリー・スルタン朝のムハンマド・ビン・トゥグルクの南方遠征後、デカン地方が政治的に不安定化。ヒンドゥー諸王の反発とバフマニー朝への対抗として建国された。ヴェーダの伝統に基づくヒンドゥー王国の復興を掲げた。
地形・地理的特徴
トゥンガバドラー川南岸の岩山に囲まれた自然の要塞。デカン高原南部の戦略的要地で、巨大な花崗岩の岩山群が防衛に適し、川が天然の堀として機能した。周囲の肥沃な農地が帝国の経済基盤を支えた。
歴史的重要性
デリー・スルタン朝のイスラム支配に対抗した南インドのヒンドゥー王権の象徴。東南アジアとの交易、ドラヴィダ建築の発展、テルグ語・カンナダ語文学の黄金期を現出。ハンピの遺跡群は1986年にユネスコ世界遺産に登録。
参考文献
- Burton Stein, Vijayanagara, 1989
- George Michell, Splendours of the Vijayanagara Empire, 1981