概要
チュニス生まれのイスラム歴史家・社会学者。主著『歴史序説(ムカッディマ)』で文明の興亡の循環理論を提唱。遊牧民の「アサビーヤ(連帯意識)」が王朝の建設を可能にするが、都市化・文明化とともに衰退するという理論を展開。歴史学、社会学、経済学の先駆者と評価される。
歴史的背景
14世紀のマグレブは小王朝の乱立と黒死病の影響で政治的に不安定であった。イブン・ハルドゥーンは各地の宮廷で仕えた経験から、王朝の興亡パターンを実証的に観察・分析した。
地形・地理的特徴
イブン・ハルドゥーンはチュニスで生まれ、マグレブ各地の宮廷を転々とした後、アルジェリアのフラーン城塞で『歴史序説』を執筆。北アフリカの遊牧社会と定住社会の対比が彼の歴史理論の基盤となった。晩年はカイロで裁判官として活動。
歴史的重要性
社会科学の創始者とされ、彼の歴史循環理論はトインビーやマルクスに先駆けるもの。経済学における労働価値説、供給側経済学(ラッファー曲線の先駆)の先見的着想でも知られる。20世紀以降、社会科学の祖として国際的に再評価された。
参考文献
- Irwin, R., 'Ibn Khaldun: An Intellectual Biography'
- Ibn Khaldun, 'The Muqaddimah'