概要
チンギス・ハンの孫フレグが率いるモンゴル軍が約40日間の包囲の末にバグダッドを陥落させた。最後のアッバース朝カリフ・ムスタアスィムは処刑され、500年続いたカリフ制は断絶。市は40日間にわたり略奪・虐殺にさらされ、推定数万〜数十万人が殺害された。知恵の館をはじめとする図書館の蔵書はティグリス川に投棄された。
歴史的背景
アッバース朝は実権を失って久しく、バグダッドは象徴的な首都に過ぎなかった。フレグはイスマーイール派(暗殺教団)のアラムート要塞を先に攻略した後、バグダッドに進軍した。
地形・地理的特徴
バグダッドはティグリス川の両岸に広がる平坦な都市で、かつての強固な城壁は長年の衰退で維持が不十分であった。モンゴル軍はティグリス川の堤防を破壊して市街地を水浸しにする戦術も用いた。
歴史的重要性
バグダッド陥落はイスラム文明にとって9.11に匹敵する衝撃であり、イスラム黄金時代の象徴的終焉とされる。知的遺産の大量喪失は取り返しのつかない損失であった。中東の政治的中心はカイロに移行した。
参考文献
- Genghis Khan and the Making of the Modern World (J. Weatherford)
- Al-Tabari continuators