概要
デリー・スルタン朝の初代スルタン・クトゥブッディーン・アイバクが建設を開始し、イルトゥトゥミシュが完成させた高さ72.5mの石造ミナレット。赤砂岩と白大理石で構成され、5層の塔身にアラビア語のコーラン銘文が刻まれている。隣接するクワット・アル・イスラム・モスクはインド最古のモスク。
歴史的背景
ゴール朝の征服によりデリーがイスラム政権の首都となった直後、征服の記念碑として建設が始まった。破壊されたヒンドゥー・ジャイナ教寺院の石材が転用されており、宗教的征服の可視化という意図が明確である。
地形・地理的特徴
デリー南部のメフラウリー地区。先行するヒンドゥー・ジャイナ教寺院の遺構の上に建設され、征服の象徴としての政治的意味を持つ立地。ヤムナー川から離れた高台に位置し、遠方からも視認できる。
歴史的重要性
インド・イスラム建築の最初の記念碑的建造物であり、インドにおけるイスラム文化の到来を象徴。1993年にユネスコ世界遺産に登録。建築様式はアフガニスタンのジャームのミナレットとの類似が指摘される。
参考文献
- Catherine Asher, Architecture of Mughal India, 1992
- UNESCO World Heritage, Qutb Minar and its Monuments, 1993