概要
パリ司教モーリス・ド・シュリーの構想により着工されたゴシック大聖堂。フライング・バットレス(飛梁)を大規模に採用した最初期の建築であり、巨大なバラ窓のステンドグラスが内部に荘厳な光を創出した。建設には約180年を要し、時代ごとの様式変化を反映している。
歴史的背景
12世紀フランスではサン・ドニ修道院長シュジェールの光の神学に基づくゴシック建築が誕生し、各都市が競って大聖堂を建設した。パリのノートルダムはその規模と完成度で突出し、ゴシック様式の代表作となった。
地形・地理的特徴
セーヌ川の中州シテ島の東端に建設された。島の位置はパリの地理的中心であり、ローマ時代から宗教施設が存在した。セーヌ川の両岸から見える大聖堂のシルエットは中世パリのランドマークとなった。
歴史的重要性
ゴシック建築の傑作であり、フランス文化のシンボル。構造工学上の革新(リブ・ヴォールト、フライング・バットレス)により壁面を薄くし大窓を開くことを可能にした。ヴィクトル・ユゴーの小説で世界的に知られるようになった。
参考文献
- アラン・エルランデ=ブランデンブルグ『ノートルダム・ド・パリ』
- ジャン・ガンペル『中世の建設者たち』