概要
高麗の陶工が独自に開発した象嵌青磁の技法。素地に文様を彫り込み、白土・赤土を嵌入して翡色の釉薬をかけて焼成する。雲鶴文、柳水禽文、蒲柳文などの典型的文様が発展。高麗青磁象嵌雲鶴文梅瓶(国宝第68号)は最高傑作とされる。
歴史的背景
中国の越州窯・龍泉窯の青磁技術を受容した高麗の陶工が、独自の美意識に基づいて象嵌技法を開発した。この技法は中国にも他のアジア地域にも見られない高麗独自の発明である。
地形・地理的特徴
康津は朝鮮半島南西部の海岸地帯で、良質の陶土が豊富。窯跡は丘陵斜面に造られ、登り窯の構造が高温焼成を可能にした。海上輸送で開京の王宮に納品された。
歴史的重要性
世界の陶磁史における独創的技法。象嵌の美しさは「翡色」と呼ばれる青緑色の釉薬と相まって、東アジア陶磁の頂点に位置づけられる。朝鮮白磁の象嵌技法にも継承された。
参考文献
- 高麗陶磁研究
- 康津窯跡調査報告