概要
イブン・トゥーマルトの一神教改革運動(タウヒード=「唯一性」)に基づく王朝。弟子アブド・アル・ムーミンがムラービト朝を打倒し、マグレブからアンダルスにまたがる帝国を建設した。セビリアのヒラルダの塔(ミナレット)、マラケシュのクトゥビーヤ・モスクなど壮大な建築を残した。
歴史的背景
ムラービト朝の統治に対するベルベル人の不満と、イブン・トゥーマルトの厳格な一神教改革思想が結びついた。ムラービト朝の擬人的な神観念をシルク(多神崇拝)として批判し、神の唯一性(タウヒード)の純粋な信仰を主張した。
地形・地理的特徴
アトラス山脈のベルベル人マスムーダ族の間で発祥した宗教改革運動。険峻な山岳地帯が初期の抵抗拠点となり、そこから平野部へ勢力を拡大した。マラケシュを首都として継承し、マグレブ全域からアンダルスまでの地中海帝国を建設した。
歴史的重要性
中世マグレブ史上最大の帝国を建設し、イスラム建築の傑作を数多く残した。ヒラルダの塔、クトゥビーヤ、ラバトのハサン塔は同一の設計に基づく三姉妹塔として知られる。1212年のラス・ナバス・デ・トロサの敗北後、帝国は衰退に向かった。
参考文献
- Bennison, A.K., 'The Almoravid and Almohad Empires'
- Fromherz, A.J., 'The Almohads'