概要
スーリヤヴァルマン2世が建設したヒンドゥー教寺院。ヴィシュヌ神に奉献された世界最大の宗教建築物で、外濠の幅は190m、寺院全体は東西約1.5km×南北約1.3km。回廊の壁面には「乳海攪拌」「マハーバーラタ」などの浮彫が延々と続く。西向きの配置は「葬祭殿」説の根拠とされる。
歴史的背景
クメール帝国の最盛期に、王の権威を示すために建設された。砂岩の切り出しは40km以上離れたプノン・クレンから水路で運ばれた。数万人の労働者と数十年の歳月を要したと推定される。
地形・地理的特徴
トンレサップ湖の北方に広がる平坦な氾濫原。巨大な貯水池(バライ)と水路のネットワークが寺院を取り囲む。須弥山を模した中央祠堂は周囲の平坦な地形の中で際立ち、朝日に照らされたシルエットがカンボジアの国旗に描かれている。
歴史的重要性
世界最大の宗教建築物であり、人類の建築的達成の頂点の一つ。1992年にユネスコ世界遺産に登録。カンボジアの国家的象徴であり、国旗にそのシルエットが描かれている。年間約250万人の観光客が訪れる。
参考文献
- 碑文史料
- アンコール遺跡調査報告