概要

ラパ・ヌイ(イースター島)で約900体が制作された巨大石像モアイ。高さ平均4メートル、重さ約12.5トンだが最大のものは高さ10メートル・重量82トンに達する。ラノ・ララク火山の凝灰岩から彫り出され、木製のそりや丸太、ロープを用いて海岸のアフまで運搬された。各モアイは部族の祖先の霊力(マナ)を宿すとされ、集落を守護する向きで配置された。

歴史的背景

ポリネシア人が4〜5世紀頃に入植し、部族社会が発展する中でモアイ建設が始まった。各部族(マタ)間の競争が巨大化を促進し、限られた島の資源を投入した大規模建設プロジェクトとなった。しかし森林伐採による環境破壊が進行し、木材不足でカヌー建造や運搬が困難になるにつれ、社会は衰退へ向かった。

地形・地理的特徴

南太平洋の絶海の孤島(最寄りの有人島まで約2000キロ)で、面積約164平方キロの火山島。ラノ・ララクの凝灰岩採石場がモアイ制作の中心地であり、火山性凝灰岩は加工しやすいが重量があるため運搬は困難。島の周囲を取り巻くアフ(祭壇)は海岸沿いに配置され、内陸から海岸への傾斜地形が運搬ルートを規定した。

歴史的重要性

隔絶された小島で発展した独自の巨石文化として世界的に著名。環境資源の過剰利用による文明崩壊の事例としてジャレド・ダイアモンドら環境史家に注目され、「エコサイド」の象徴とされる。1995年にユネスコ世界遺産に登録。近年の研究では崩壊説に修正が加えられ、ヨーロッパ接触後の疫病や奴隷狩りの影響が再評価されている。

参考文献

  • Hunt, T. & Lipo, C. 'The Statues that Walked' (2011)
  • Van Tilburg, J. 'Easter Island: Archaeology, Ecology and Culture' (1994)