概要
チュルク系遊牧民による最初のイスラム王朝。サトゥク・ブグラ・カンが10世紀半ばにイスラムに改宗したとされる。999年にサーマーン朝を滅ぼしブハラを征服。マフムード・カーシュガリーの『チュルク語集成』(1072年)が編纂され、チュルク語文学の基礎が築かれた。
歴史的背景
中央アジアのチュルク系遊牧民が定住化し、イスラムを受容する過程で成立。イスラムの受容はアラブの軍事征服ではなく、交易と布教を通じた漸進的な改宗であった点が特徴的。
地形・地理的特徴
天山山脈北麓からマー・ワラー・アンナフルにかけてのオアシス都市群を支配。カシュガル、バラーサグンを東方の拠点とし、サマルカンド、ブハラを西方の中心とした。
歴史的重要性
チュルク系民族のイスラム化の先駆であり、後のセルジューク朝・オスマン帝国などチュルク系イスラム国家の原型。マフムード・カーシュガリーの『チュルク語集成』はチュルク語学・民族学の最重要文献として現在も研究されている。
参考文献
- Peter Golden, An Introduction to the History of the Turkic Peoples, 1992
- Robert Dankoff (tr.), Compendium of the Turkic Dialects, 1982