概要
第6王朝のペピ2世(在位94年とされる)の死後、中央政府の権威が急速に崩壊。各州の知事(ノマルク)が独立的な権力を握り、エジプトは群雄割拠の状態に陥った。ヘラクレオポリスとテーベの二大勢力が対立し、約130年にわたる分裂期が続いた。
歴史的背景
ペピ2世の長い治世末期から中央政府の統制力が低下し、地方豪族が力を蓄えていた。4.2キロイベントと呼ばれる気候変動(干ばつ)がナイル洪水を不規則にし、農業危機を引き起こした。ピラミッド建設などの大規模事業が国家財政を圧迫したことも一因とされる。
地形・地理的特徴
ナイル渓谷全域に影響が及んだが、特に上エジプトの各州(ノモス)が独自の権力基盤を持つ地理的条件が分裂を促進した。ナイル渓谷の線状の地理は中央権力が弱まると地方割拠を容易にする構造を内包していた。気候変動によるナイル洪水の不規則化が農業生産を不安定にした。
歴史的重要性
エジプト史上初の大規模な政治的崩壊であり、後の中王国の中央集権再建の前提となった。地方文化の多様化や、文学作品における社会批判の登場など、文化的にも重要な転換期。王権の絶対性に対する初の疑念が記録された時期。
参考文献
- Seidlmayer, S., 'The First Intermediate Period'
- Bell, B., 'The Dark Ages in Ancient History'