概要

ペルー北海岸に栄えた先インカの強力な王国。首都チャンチャンは面積約20km²、人口推定6万人の世界最大の日干しレンガ都市。10の宮殿区画(シウダデラ)が王の代替わりごとに新設され、各区画は高さ9mの壁で囲まれていた。精巧な金銀細工、壁面のアラベスク装飾が特徴。

歴史的背景

モチェ文化の後継として発展し、1000km以上の海岸地帯を支配した。先行するモチェとワリの文化的遺産を統合し、大規模な灌漑水路の建設と管理によって権力を集中させた。分割相続制度(宮殿区画の新設)が特徴的な政治構造であった。

地形・地理的特徴

ペルー北海岸モチェ谷の太平洋岸に位置する。乾燥した砂漠気候だが、アンデスの雪解け水を利用する灌漑水路網が高度に発達。太平洋岸の漁業資源も経済基盤。チャンチャンは海岸沿いの平坦な砂漠上に建設され、日干しレンガ(アドベ)の原料が豊富であった。

歴史的重要性

インカに征服される直前のアンデス海岸部最大の王国として、インカの統治技術に大きな影響を与えた。インカはチムーの金属工芸師をクスコに移送した。チャンチャンは1986年世界遺産と同時に危機遺産に登録されている。

参考文献

  • Moseley, The Incas and Their Ancestors
  • Moore & Mackey, The Chimú Empire