概要
ノルウェーからのバイキングがイングランド北東部のリンディスファーン修道院を襲撃し、修道士を殺害・奴隷化し、聖遺物や財宝を略奪した。アルクインが「キリスト教世界始まって以来、ブリテンにこのような恐怖が訪れたことはない」と嘆いた記録が残る。
歴史的背景
リンディスファーンは635年にアイオナ島から派遣されたエイダン修道士により設立され、ケルト系キリスト教の重要な中心地であった。『リンディスファーン福音書』など芸術的にも価値の高い写本が制作されていた。修道院は防備を持たない平和な施設だった。
地形・地理的特徴
イングランド北東部のホーリー島(リンディスファーン)は、干潮時にのみ本土と陸続きになる潮汐島。この孤立した立地は修道士の瞑想には理想的だったが、海からの攻撃に対しては極めて脆弱であった。北海に面した位置はスカンジナビアからの直接航路上にあった。
歴史的重要性
バイキング時代の始まりを告げる象徴的事件として西洋史に記される。以後約300年間、ノース人による北海・大西洋沿岸への襲撃・移住・征服が続き、ヨーロッパの政治地図を大きく変えた。
参考文献
- アルクイン書簡集
- 『アングロサクソン年代記』