概要
パーラ朝のダルマパーラ王が設立した仏教学術機関。密教(ヴァジュラヤーナ)の主要な研究・修行センターとして機能し、最盛期には108人の教授と1000人以上の学生を擁した。チベットへの仏教伝播に決定的な役割を果たし、アティーシャはここで学んだ後にチベットに招かれた。
歴史的背景
パーラ朝は仏教を強力に保護した最後のインド王朝。ナーランダー大学が衰退する中、ヴィクラマシーラが密教研究の中心地として台頭した。六つの門(学部)は各分野の専門教授が管轄していた。
地形・地理的特徴
ガンジス川沿いのビハール地方に位置。ナーランダー大学と同じくマガダ地方の仏教学術圏の一部であり、肥沃な平野の農業生産力が大規模教育機関の維持を支えた。
歴史的重要性
密教のチベット伝播の最重要拠点。アティーシャのチベットでの活動を通じ、チベット仏教の学問体系の基礎が形成された。1193年にバフティヤール・ハルジーにより破壊され、ナーランダーと同様にインド仏教の終焉を象徴する事件となった。
参考文献
- Taranatha, History of Buddhism in India (tr. Lama Chimpa), 1970
- Sukumar Dutt, Buddhist Monks and Monasteries of India, 1962