概要
称徳天皇に寵愛された僧道鏡が、宇佐八幡宮の神託を利用して皇位を窺った事件。「道鏡を天皇にすべし」という神託を大宰府の主神が報告したが、和気清麻呂が宇佐に赴き「無道の人を除くべし」との真の神託を持ち帰り、道鏡の野望を阻止。
歴史的背景
称徳天皇(孝謙上皇の重祚)は病気治療がきっかけで僧道鏡を重用し、太政大臣禅師、さらに法王に任じた。道鏡の権力は天皇に次ぐものとなり、周囲から皇位簒奪の懸念が高まった。
地形・地理的特徴
平城京と宇佐八幡宮(大分県宇佐市)を舞台とする。宇佐は瀬戸内海航路の西端に位置し、九州の政治的・宗教的中心の一つであった。神託の真偽をめぐる使者の往復が事件の鍵となった。
歴史的重要性
皇位の血統原理が維持された重要事件。和気清麻呂は後世「忠臣」として称えられる。道鏡の失脚後、称徳天皇の崩御を経て光仁天皇(天智系)が即位し、奈良時代の混乱が収束に向かった。
参考文献
- 『続日本紀』称徳天皇紀