概要

インダス文明最大級の都市遺跡。整然とした格子状の街路計画、精巧な排水システム、大浴場(グレート・バス)、穀物倉庫を備えた高度な都市計画が特徴。推定人口3万〜4万人。統一された度量衡システムとインダス文字の印章が発見されているが、文字は未解読のまま。

歴史的背景

紀元前3000年紀にインダス川流域で農耕文明が発展し、複数の都市が同時期に繁栄した。メソポタミア文明との交易が経済的基盤を支え、ラピスラズリ、カーネリアンなどの半貴石の加工・輸出が主要産業であった。

地形・地理的特徴

インダス川下流域の沖積平野に位置し、毎年の氾濫が肥沃な農地をもたらした。川の水運を利用した交易が容易であり、周囲の乾燥地帯に対して灌漑農業が可能な立地が大規模都市の形成を支えた。洪水対策として人工的な基壇の上に都市が建設された。

歴史的重要性

世界四大文明の一つとして、都市計画・公衆衛生の概念において当時の他文明を凌駕する水準を示した。排水設備は同時代のメソポタミアやエジプトにも見られない先進性を持ち、初期都市文明の多様性を示す重要な証拠である。

参考文献

  • John Marshall, Mohenjo-daro and the Indus Civilization, 1931
  • Gregory Possehl, The Indus Civilization: A Contemporary Perspective, 2002