概要

ユカタン半島最大のマヤ都市で、後古典期マヤの政治・宗教の中心地。ククルカン(羽毛の蛇)のピラミッド(エル・カスティーヨ)は春分・秋分に蛇の影が階段を這い降りる光の現象で有名。戦士の神殿、球技場(メソアメリカ最大級)、天文台(カラコル)が残る。プトゥン・マヤとトルテカの文化要素が融合している。

歴史的背景

純粋マヤ期(600-900年頃)とトルテカ影響期(900-1200年頃)に大別される。10世紀頃にメキシコ中央高原からの影響(トルテカ説、プトゥン・マヤ説が対立)を受け、チャクモール像や頭蓋骨の壁(ツォンパントリ)などの新要素が加わった。マヤパンとの覇権争いの末、13世紀に政治的中心としての地位を失った。

地形・地理的特徴

ユカタン半島北部の平坦な石灰岩台地上に位置する。河川がなく、天然の陥没穴(セノーテ)が唯一の水源であった。聖なるセノーテ(直径60m、深さ約35m)は宗教儀礼の中心であり、供物や人身御供が投じられた。乾燥した石灰岩地形は建築資材を提供し、交易路の結節点として発展した。

歴史的重要性

マヤとメキシコ中央高原文化の融合を示す重要遺跡。春分秋分のククルカンの降臨現象は古代マヤの天文学と建築技術の精密さを証明する。1988年世界遺産、2007年新世界七不思議に選出。

参考文献

  • Coggins & Shane, Cenote of Sacrifice
  • Schmidt et al., Chichén Itzá