概要
グプタ朝のチャンドラグプタ2世の時代に制作されたとされる高さ約7m、重さ約6トンの鍛鉄製の柱。1600年以上にわたりほとんど錆びていないことで世界的に有名。鉄中のリン含有量が高く、表面に保護膜(ミサワイト)を形成する特殊な組成が耐食性の原因とされる。
歴史的背景
グプタ朝の高度な冶金技術を示す遺物。サンスクリットの銘文によりヴィシュヌ神への奉献柱であることが判明。インドの「ウーツ鋼」(ダマスカス鋼の原料)と並び、古代インドの冶金技術の卓越性を証明する。
地形・地理的特徴
現在クトゥブ・ミナール複合体内に位置するが、元来は別の場所(おそらくウダヤギリ)に建てられていたとされる。後代にデリーに移設された。
歴史的重要性
古代インドの冶金技術が現代科学でも完全には解明されていない高度な水準にあったことを示す。材料科学の研究対象として世界の研究者の関心を集め続けている。インド科学技術史の象徴的存在。
参考文献
- R. Balasubramaniam, The Delhi Iron Pillar, 2002
- R. Hadfield, Sinhalese Iron and Steel of Ancient Origin, 1912