概要

フラウィウス朝の皇帝ウェスパシアヌスが着工し、ティトゥスが完成させた巨大円形闘技場。正式名称はアンフィテアトルム・フラウィウム。長径188m、短径156m、高さ48mの4層構造で、約5万人を収容。剣闘士の戦い、猛獣狩り、模擬海戦が行われた。完成記念興行は100日間続いた。

歴史的背景

ウェスパシアヌスは69年の「四皇帝の年」を勝ち抜いてフラウィウス朝を開いた。正統性を欠く新王朝がローマ市民の支持を得るため、ネロの私的な庭園と宮殿を取り壊し、市民のための壮大な娯楽施設を建設した。

地形・地理的特徴

ローマ市街中心部、パラティヌスの丘とエスクィリヌスの丘の間の谷間に建設された。ネロの黄金宮殿(ドムス・アウレア)の人工湖を埋め立てた跡地を利用し、皇帝が私的空間を市民に返還するという政治的メッセージを込めた。

歴史的重要性

ローマ建築技術の最高傑作であり、アーチとヴォールトを多用したコンクリート構造は後世の建築に多大な影響。観客の効率的な入退場を可能にする76の出入口(ヴォミトリウム)の設計は現代スタジアムの原型。

参考文献

  • カッシウス・ディオ『ローマ史』第66巻
  • キース・ホプキンズ『コロッセウム』