概要
タルソス出身のユダヤ人パウロ(サウロ)はダマスカスへの途上で回心し、異邦人へのキリスト教宣教者となった。三度の宣教旅行でアナトリア、ギリシャ、ローマに教会を設立。割礼なしに異邦人がキリスト教徒になれるとする教義はキリスト教のユダヤ教からの分離を決定づけた。書簡は新約聖書の主要部分を構成する。
歴史的背景
初期キリスト教はエルサレムのユダヤ人共同体内の運動であったが、ステパノの殉教後の迫害でヘレニスト・キリスト者がアンティオキアなどに分散し、異邦人への宣教が始まった。
地形・地理的特徴
パウロの出身地タルソスはキリキア地方の平野に位置し、タウロス山脈の峠を越えてアナトリア内陸に至る交通の要衝。ローマの道路網と海運ネットワークが宣教旅行を可能にした。
歴史的重要性
パウロはキリスト教をユダヤ教の一派から普遍的宗教に転換させた最大の功労者であり、その神学は西洋思想の根幹を形成した。ルターの宗教改革もパウロの信仰義認論に基づく。
参考文献
- Acts of the Apostles
- Paul: A Biography (N.T. Wright)