概要
漢の武帝が匈奴挟撃のため大月氏と同盟を結ぶべく派遣した外交使節。匈奴に捕らわれ10年間拘束された後に脱出し、大月氏のもとに到達したが同盟は成立せず帰還。しかし西域の地理・民族・産物に関する貴重な情報をもたらし、シルクロード開通の端緒となった。
歴史的背景
漢の武帝は匈奴との長年の対立を打破するため、西遷した大月氏と東西から匈奴を挟撃する戦略を構想。張騫はこの使命を帯びて出発したが、匈奴領を通過する際に捕縛された。
地形・地理的特徴
河西回廊を経てタリム盆地を横断し、フェルガナ盆地からソグディアナ(現ウズベキスタン)に至る約6000kmの旅程。砂漠・高山・草原の多様な地形を踏破した。
歴史的重要性
東西交流の歴史における画期的事件。張騫の報告により漢は西域の実情を知り、シルクロード交易の本格的な開始につながった。「シルクロードを開いた男」と称される。汗血馬の情報がフェルガナ遠征を招いた。
参考文献
- 司馬遷『史記』大宛列伝
- Valerie Hansen, The Silk Road: A New History, 2012