概要
プトレマイオス5世の即位を記念する神官会議の勅令が、ヒエログリフ、デモティック(民衆文字)、ギリシャ語の三言語で石碑に刻まれた。1799年にナポレオンのエジプト遠征中にロゼッタで発見され、1822年にシャンポリオンがこの石碑を手がかりにヒエログリフの解読に成功した。
歴史的背景
プトレマイオス朝はギリシャ系の支配者でありながら、エジプトの伝統的な宗教制度と共存していた。神官団の支持を得るため、エジプト語(ヒエログリフとデモティック)とギリシャ語の二重言語による碑文が標準化されていた。
地形・地理的特徴
メンフィスの神殿で発布された勅令だが、ナイルデルタ各地の神殿に設置された。1799年にロゼッタ(ラシード)で発見された石碑は、デルタの沖積平野の建築資材に転用されていた。デルタの多数の支流と氾濫原が、古代の碑文を堆積物の中に保存する効果を持った。
歴史的重要性
1822年のシャンポリオンによるヒエログリフ解読の鍵となり、古代エジプト学の誕生をもたらした。3000年以上失われていたエジプト文明の文字記録を現代に蘇らせた、考古学・言語学史上最も重要な発見の一つ。
参考文献
- Parkinson, R., 'The Rosetta Stone'
- Robinson, A., 'Cracking the Egyptian Code'