概要
セレウコス朝から独立したギリシャ系の王国。ディオドトス1世が建国し、デメトリオス1世がインド北西部に進出。最も有名な王メナンドロス1世(ミリンダ王)は仏教に帰依し、『ミリンダ王の問い』としてパーリ語仏典に記録された。アイ・ハヌム遺跡はヘレニズム都市の典型。
歴史的背景
アレクサンドロスの死後、バクトリアはセレウコス朝の東方属州となったが、紀元前250年頃にディオドトスが独立を宣言。ギリシャ文化とイラン・インド文化が融合し、コインの肖像彫刻は古代世界で最も写実的。
地形・地理的特徴
ヒンドゥークシュ山脈北麓のバクトリア平原(現アフガニスタン北部)を中心に、ソグディアナやインド北西部まで勢力を拡大。アム川流域の肥沃な灌漑農業地帯が経済基盤。
歴史的重要性
東西文化交流の最も重要な媒介者の一つ。ギリシャの美術・建築・哲学がインド世界に流入する窓口となり、ガンダーラ美術の仏像表現の基礎を形成した。仏教のヘレニズム世界への最初の接触点としても重要。
参考文献
- Frank Holt, Thundering Zeus, 1999
- Rachel Mairs, The Hellenistic Far East, 2011