概要
2015年12月12日、196カ国が参加するCOP21でパリ協定が採択された。産業革命前からの世界平均気温上昇を2度未満、できれば1.5度以内に抑えることを目標に掲げた。各国が自主的に削減目標(NDC: 国が決定する貢献)を設定・報告・更新する「プレッジ・アンド・レビュー」方式を採用。フランスのローラン・ファビウス外相が議長を務め、先進国・途上国の対立を乗り越える歴史的合意を導いた。
歴史的背景
1997年の京都議定書は先進国のみに削減義務を課し、アメリカの離脱や中国・インドの不参加で実効性が限定的であった。2009年のコペンハーゲンCOP15では合意に失敗。その後、トップダウンからボトムアップ方式への転換が図られ、全ての国が参加する枠組みが模索された。オバマ米大統領と習近平中国主席の米中共同声明(2014年)が合意への推進力となった。
地形・地理的特徴
パリ北部のル・ブルジェ展示会場で開催されたCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で採択された。パリは1992年のリオ地球サミット以来の国際環境外交の中心地の一つであり、セーヌ川沿いの歴史的都市景観は、気候変動によって脅かされる人類文明の象徴としても機能した。
歴史的重要性
京都議定書を超える初の包括的な気候変動対策の国際合意であり、先進国・途上国の二分法を克服した。しかし各国のNDCを合計しても2度目標の達成には不十分であり、「野心の引き上げ」が継続的課題。トランプ政権によるアメリカの一時離脱(2020年)はあったが、バイデン政権で復帰。気候変動への国際的取り組みの法的基盤として機能している。
参考文献
- Falkner, The Paris Agreement and the New Logic of International Climate Politics
- Bodansky, The Art and Craft of International Environmental Law