概要
2010年12月17日、チュニジアのシディ・ブジドで露天商モハメド・ブアジジが焼身自殺したことをきっかけに、チュニジアの反政府デモが拡大。ベン・アリ大統領が亡命した「ジャスミン革命」を皮切りに、エジプト(ムバラク政権崩壊)、リビア(カダフィ政権崩壊)、イエメン(サレハ政権崩壊)へ波及。シリアでは内戦に発展した。バーレーン、モロッコ、ヨルダンでも大規模デモが発生。
歴史的背景
アラブ諸国では長期独裁政権下で若年失業率の高さ、腐敗、政治的自由の欠如が慢性化していた。2008年の世界金融危機が食糧価格の高騰をもたらし、社会的不満を増大させた。フェイスブック、ツイッター、YouTube等のソーシャルメディアの普及が、政府の情報統制を突破する市民の組織化手段として機能した。
地形・地理的特徴
チュニジアの地方都市シディ・ブジドからカイロのタハリール広場、ダマスカス、トリポリ、サナアまで、北アフリカから中東にかけての広範な地域で連鎖的に発生した。地中海沿岸の都市部が運動の中心であり、都市の広場や大通りがデモの舞台となった。ソーシャルメディアが地理的障壁を越えて運動を伝播させた。
歴史的重要性
中東・北アフリカの政治地図を塗り替えた。チュニジアでは民主化が一定程度進んだが、エジプトでは軍政復帰、リビアとイエメンは国家崩壊、シリアは長期内戦に陥った。ソーシャルメディアの政治的影響力を実証する一方、民主化の困難さと権威主義の回復力も示した。ISISの台頭はシリア・イラクの権力空白から生まれた。
参考文献
- Lynch, The Arab Uprising
- Noueihed & Warren, The Battle for the Arab Spring