概要
2009年にギリシャの財政赤字が公表数値の倍以上であることが判明し、国債利回りが急騰。ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインが相次いで救済を必要とした(PIIGS危機)。トロイカ(EU、ECB、IMF)による緊縮財政プログラムが課され、大規模な抗議運動が発生した。
歴史的背景
ユーロ導入後の低金利環境が南欧諸国の過剰な借り入れを促進した。財政規律を定めた安定・成長協定は実効性を欠き、2008年の世界金融危機が構造的問題を露呈させた。ユーロ圏の「一つの金利が全てに適合しない」問題が顕在化した。
地形・地理的特徴
アテネのシンタグマ広場がデモと抗議活動の中心となった。ギリシャの島嶼部の観光経済は危機の影響を大きく受け、若年失業率は60%近くに達した。
歴史的重要性
ユーロの存続自体が危ぶまれた危機であり、ECBのドラギ総裁の「ユーロを守るためにできることは何でもする」発言(2012年)が転換点となった。緊縮財政vsケインズ主義の論争、北欧と南欧の対立、ギリシャのシリザ政権の台頭など、EU内の構造的緊張を浮き彫りにした。
参考文献
- アダム・トゥーズ『クラッシュ 2008年金融危機はいかに世界を変えたか』